キリストの使徒たちが伝えたこと(7)—使徒信条とは—「子なる神(3)」

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このメッセージでは...

このメッセージは、子なる神についての3回目の考察である。

キリストの使徒たちが伝えたこと(7)

―使徒信条とは―

「子なる神(3)」

使徒信条

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。

我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。


主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。

我は聖霊を信ず。

聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。

アーメン。

  1.はじめに

    (1)使徒信条について

      ①三位一体論を土台とした信仰告白である。

      ②キリスト論が一番強調されている。

③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されてい

るので、使徒信条と呼んでもよい。

      ④洗礼式のために、また、異端との戦いのために必要となった。

    (2)子なる神について(3)

      ①キリスト教信仰の中心テーマである。

      ②キリスト論が間違っていると、救済論が間違ってくる。

  *異端の教えは、例外なしにキリスト論が間違っている。

  *異端の教えでは、キリストは被造物である。

④前回は、キリストの受肉を取り上げた。

⑤今後は、受肉以外の要素を6つ取り上げる。

⑥今回は、①~③を取り上げる。

  2.アウトライン

    (1)処女降誕

    (2)イエスの歴史性

    (3)福音の3要素

    (4)イエスの死後の状態

    (5)昇天

    (6)再臨

このメッセージは、子なる神についての3回目の考察である。

Ⅰ.処女降誕

「主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、」

  1.処女降誕の可能性

    (1)両親から誕生しなかった例

      ①アダム 「土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり」(新共同訳)

      ②エバ 「人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた」(新共同訳)

    (2)イエスの場合

    「御使いは答えて言った。『聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたを

おおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます』」

(ルカ1:35)

  2.処女降誕の必要性

    (1)救い主は、原罪を宿していない人間でなければならない。

      ①ルカ1:35がその回答になっている。

    (2)アダムとの比較

    「すなわち、アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによって

すべての人が生かされるからです」(1コリ15:22)

  ①最初のアダムと最後のアダム

  ②ともに罪のない状態で造られた。

  ③ともに自由意志を与えられた。

  ④最初のアダムは死をもたらし、最後のアダムは命をもたらした。

Ⅱ.イエスの歴史性

「ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、」

  1.イエスの裁判には、6つのステップがある。

    (1)最初の3つは、ユダヤ人による宗教裁判

    (2)最後の3つは、ローマ人による政治裁判

  2.ユダヤ人による宗教裁判(冒とく罪)

    (1)元大祭司のアンナスによる予備審問

    (2)大祭司カヤパによる裁判

    (3)サンヘドリンによる裁判

        *自らの律法に違反した形で裁判を行った。

  3.ローマ人による政治裁判(反逆罪)

    (1)ポンテオ・ピラトによる裁判

      ①彼は、紀元26~36年まで、ユダヤに派遣されたローマ総督であった。

      ②皇帝テベリオに仕えた。

    (2)ヘロデ・アンティパスによる裁判

      ①祭りの間、エルサレムに来ていた。

      ②ヘロデはイエスを嘲笑したが、政治的に巻き込まれるのを恐れて、判決は

下さなかった。

    (3)再び、ポンテオ・ピラトによる裁判

      ①彼は、イエスが無罪であることを知っていた。

      ②ユダヤ人の怒りを鎮めるために、イエスを鞭打って釈放しようとした。

      ③バラバがイエスかのいずれかを釈放すると提案した。

      ④ピラトは、自らの政治生命を守るために、イエスを有罪にした。

      ⑤その結果、イエスは十字架に付くことになった。

        *呪われた死

Ⅲ.福音の3要素

「十字架につけられ、死にて葬られ、三日目に死人のうちよりよみがえり、」

  
1.最も大切なメッセージ

  「私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、

次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、

また、葬られたこと、また、聖書の示すとおりに、三日目によみがえられたこと、」

(1コリ15:3~4)

  
2.救いとは何か。

  「また、もしあなたがたがよく考えもしないで信じたのでないなら、私の宣べ伝えた

この福音のことばをしっかりと保っていれば、この福音によって救われるのです」

(1コリ15:2)

  (1)救いとは、日常用語でもあるが、重要な神学用語でもある。

  (2)聖書が教える救いとは何か。

    ①義認(神の怒りからの解放) 過去形の救い

    ②聖化(罪の束縛からの解放) 現在進行形の救い

    ③栄化(人間性の完成) 未来形の救い

3.救いはなぜ可能になったのか。

  (1)養子関係による説明

  「あなたがたは、人を再び恐怖に陥れるような、奴隷の霊を受けたのではなく、

子としてくださる御霊を受けたのです。私たちは御霊によって、『アバ、父』と呼

びます」(ロマ8:15)

  ①イエス・キリストと共同相続人になった。

  ②イエス・キリストとともに、苦難と祝福を共有する。

(2)法律関係による説明

「ですから、信仰によって義と認められた私たちは、私たちの主イエス・キリス

トによって、神との平和を持っています。またキリストによって、いま私たちの

立っているこの恵みに信仰によって導き入れられた私たちは、神の栄光を望んで

大いに喜んでいます」(ロマ5:1~2)

  ①法律的に無罪宣言を受けた。

  ②神との関係が正された。

  ③罪の性質が残っているが、無罪と見なされた。

(3)奴隷市場のイメージによる説明

「あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをも

って、神の栄光を現しなさい」(1コリ6:20)

  ①身代金を払って奴隷を買い取る。

  ②イエス・キリストの命が、代価である。

  ③買い取られた者は、新しい主人の奴隷となる。

    *この場合、自由意志にもとづく奴隷であることが前提になっている。

  ④神が誰に代価を払ったかは、聖書は論じていない。

まとめ:

(1)処女降誕は、そのまま信じられる。

(2)イエスの歴史性は、そのまま信じられる。

(3)福音の内容は、そのまま信じられる。

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