キリストの使徒たちが伝えたこと(6)—使徒信条とは—「子なる神(2)」

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このメッセージでは...

このメッセージは、子なる神についての2回目の考察である。

キリストの使徒たちが伝えたこと(6)

―使徒信条とは―

「子なる神(2)」

使徒信条

我は天地の造り主、全能の父なる神を信ず。

我はその独り子、我らの主、イエス・キリストを信ず。


主は聖霊によりてやどり、処女マリヤより生れ、ポンテオ・ピラトのもとに苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、陰府にくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父(ちち)なる神の右に座したまえり。
かしこより来たりて生ける者と死にたる者とを審きたまわん。

我は聖霊を信ず。

聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪の赦し、身体のよみがえり、永遠の生命を信ず。

アーメン。

  1.はじめに

    (1)使徒信条について

      ①三位一体論を土台とした信仰告白である。

      ②キリスト論が一番強調されている。

③使徒信条は、使徒たちの作品ではないが、使徒たちの教えが要約されてい

るので、使徒信条と呼んでもよい。

      ④洗礼式のために、また、異端との戦いのために必要となった。

    (2)子なる神について(2)

      ①キリスト教信仰の中心テーマである。

      ②キリストに関する学びを、「キリスト論」とか「メシア論」とか言う。

      ③キリスト論が間違っていると、救済論が間違ってくる。

  *異端の教えは、例外なしにキリスト論が間違っている。

  *異端の教えでは、キリストは被造物である。

④前回は、3つの呼び名を取り上げた。

  *イエス・キリスト

  *その独り子

  *我らの主

⑤今回は、キリストの受肉を取り上げる。

  2.アウトライン

    (1)キリストの受肉の告白

    (2)キリストの受肉に関する論争

    (3)キリストの受肉の目的

このメッセージは、子なる神についての2回目の考察である。

Ⅰ.キリストの受肉の告白

  
1.キリストは人である。

    (1)旧約聖書における「人の子」

      ①預言者エゼキエルへの呼びかけの言葉

      ②ダニ7:13~14

      「私がまた、夜の幻を見ていると、見よ、人の子のような方が天の雲に乗っ

て来られ、年を経た方のもとに進み、その前に導かれた。この方に、主権と

光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼に仕え

ることになった。その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は

滅びることがない」

*これは、再臨のメシアである。

      ③詩8:14

      「人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子

とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは」

  *これは、神や天使との対比における人間の弱さや価値の低を強調して

いる。

    (2)イエスは、ご自身を「人の子」を呼ばれた。

      ①マタ8:20

      「すると、イエスは彼に言われた。『狐には穴があり、空の鳥には巣があるが、

人の子には枕する所もありません』」

②上記③の意味で、このタイトルを使用しておられる。

  2.キリストは神である。

    (1)キリストは神であるという真理は、新約聖書の啓示のピークである。

      ①ヨハ1:18

      「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神

が、神を説き明かされたのである」

②ヨハ20:27~28

「それからトマスに言われた。『あなたの指をここにつけて、わたしの手を見

なさい。手を伸ばして、わたしのわきに差し入れなさい。信じない者になら

ないで、信じる者になりなさい。』トマスは答えてイエスに言った。『私の主。

私の神。』」

③ロマ9:5

「父祖たちも彼らのものです。またキリストも、人としては彼らから出られ

たのです。このキリストは万物の上にあり、とこしえにほめたたえられる神

です。アーメン」

Ⅱ.キリストの受肉に関する論争

  1.養子論(Adoptionism)

    (1)イエスの人性を強調する考え方

      ①旧約聖書の預言者たちと同様に、聖霊によって力を受けた。

      ②ヨハネから洗礼を受けたときに、父なる神によって養子とされた。

    (2)すでに存在するユダヤ人の考え方をイエスに適用する試みである。

      ①しかし、ユダヤ人の理解では、人を救えるのは神だけである。

      ②神でなければ救えない。

  2.仮現論(Docetism)

    (1)イエスの神性を強調する考え方

      ①イエスは神であるが、自分を人間のように見せかけた。

    (2)イエスの人性と私たちの人性の間にある関係を軽視した教えである。

      ①人でなければ死ねない。

  3.アリウス主義(Arianism)

    (1)イエスは神ではなく、被造物の中の最高のお方である。

      ①創造主と被造物の間には、超えることのできない一線がある。

      ②イエスは、被造物の世界に属している。

      ③イエスを神のように表現する箇所は、イエスに敬意を表したものである。

    (2)アタナシウスは反論した。

      ①キリストの教理は、相互に関連した網の目のようなものである。

      ②もしキリストが神でないなら人類を救えないことになり、福音の宣教は矛

盾したものとなる。

      ③クリスチャンはキリストを礼拝した。もしキリストが神でないなら、これ

は偶像礼拝となる。

  4.カルケドン公会議による解決(451年)

(1)数百年に及ぶ論争が決着した。

「われわれはみな、教父たちに従って、心を一つにして、次のように考え、宣言

する。われわれの主イエス・キリストは唯一・同一の子である。同じかたが神性

において完全であり、この同じかたが人間性においても完全である。同じかたが

真の神であり、同時に理性的霊魂と肉体とからなる真の人間である。同じかたが

神性において父と同一本質のものであるとともに、人間性においてわれわれと同

一本質のものである。『罪のほかはすべてにおいてわれわれと同じである』。神性

においては、この世の前に父から生まれたが、この同じかたが、人間性において

は終わりの時代に、われわれのため、われわれの救いのために、神の母、処女マ

リアから生まれた(後略)」(カルケドン信条)

Ⅲ.キリストの受肉の目的

  1.神を人間に啓示するため

    (1)受肉によって、理解不可能な神が、人間にとって理解可能な範囲内に入って

来られた。

①マタ11:27

②ヨハ1:18、14:9

③ロマ5:8

④1ヨハ3:8

2.真の人間性を啓示するため

  (1)罪のない人間性がどのようなものであるかを示された。

      ①罪人にとっては、メシアは手本ではなく、罪を示すお方となられた。

      ②信者にとっては、手本となられた。

③1ペテ2:21

④1ヨハ2:6

  3.罪の贖いを提供するため

    (1)神は死なないので、贖いを提供できない。

      ①普通の人間の死は、永遠の贖いを提供できない。

②キリストは、神でなければならない。

    (2)このジレンマは、「神-人」という概念によって解決する。

①ヘブ10:1~10

  4.ダビデ契約を成就するため

(1)「ダビデの王位」に就くためには人間でなければならない。

①ルカ1:31~33

「神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります」

      ②「とこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがない」と言えるた

めには、神でなければならない。

    (2)このジレンマもまた、「神-人」という概念によって解決する。

  5.悪魔の業を打ち壊すために

    (1)復活ではなく、受肉が、悪魔の業を打ち壊すための方法であった。

      ①サタンが支配している領域に、メシアが侵入された。

      ②1ヨハ3:8

「罪を犯している者は、悪魔から出た者です。悪魔は初めから罪を犯してい

るからです。神の子が現れたのは、悪魔のしわざを打ちこわすためです」

6.思いやりのある大祭司となるため

(1)ヘブ4:14~16

「さて、私たちのためには、もろもろの天を通られた偉大な大祭司である神の子

イエスがおられるのですから、私たちの信仰の告白を堅く保とうではありません

か。私たちの大祭司は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯

されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたので

す。ですから、私たちは、あわれみを受け、また恵みをいただいて、おりにかな

った助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか」

まとめ:受肉の教理は、クリスチャン生活と大いに関係がある。

(1)神の性質を知った。

(2)救いの内容と方法を知った。

(3)どのように生きたらよいかの手本を知った。

(4)神が必要に答えてくださることを知った。

(5)将来何が起こるかを知った。

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