創世記(60)—ゴシェンの地への定住—

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寄留者がいかに生きるべきか。

創世記60 創世記47章1節~31節

「ゴシェンの地への定住」

イントロ:

1.文脈を確認する。

(1)ヤコブの一家がエジプトに移住した。

(2)ボーダーラインを越えた時には、洞察力が必要。

(3)パロとの会見で今後の運命が決まる。

(4)一家の移住は、ききんの2年目に起こった。

(5)創47:13は、ききんの最初に戻っている。

2.メッセージのアウトライン

(1)ヨセフの洞察力(47:1~12)

(2)ヨセフのビジネス倫理(47:13~26)

(3)ヤコブの信仰(47:27~31)

4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。

(1)寄留者としての自己認識

(2)寄留者の実生活

(3)寄留者の目指す地

このメッセージは、寄留者がいかに生きるべきかを教えるものである。

Ⅰ.ヨセフの洞察力(47:1~12)

1.パロの許可なしには何もしない。

(1)すでにパロはヨセフの家族の移住を歓迎していた。

2.兄弟5人をパロに紹介した。

(1)年齢順か、見かけによる選びか?

(2)いずれにしても、5人が一家を代表した。

3.羊飼いという職業の強調

(1)ヨセフは、パロが最初に職業について尋ねることを知っていた。

①勤勉でない寄留者は、居候となり迷惑。

②ヨセフのように有能な人物がいれば採用したい。

(2)兄弟たちの回答

①先祖の時代から羊飼いである。

②「この地に寄留しようとしてまいりました」

*寄留者としての自己認識

*いつか、カナンの地に帰還するとの決意

③「ゴシェンの地に住まわせてください」

*エジプト文化からの隔離

(3)パロの裁定

①ゴシェンの地に住むようにせよ。

②有能な者がいたら、家畜の管理を任せる。

4.父ヤコブを紹介

(1)すべてが決着してから父を紹介している。

(2)「ヤコブはパロにあいさつした」(祝福した)。

①地上の権威と神の国の権威の対比

②上位の者が下位の者を祝福するのである。

5.パロの質問

(1)エジプトでは長寿は珍しい。

(2)ヤコブの外見は、エジプトでは見かけないような高齢。

6.ヤコブの答え

(1)「わたしの旅路の年月は130年です」(新共同訳)

①寄留者としての自己認識

(2)「わたしの生涯の年月は短く、苦しみ多く」(新共同訳)

①永遠の視点から見るなら、わずかな年月である。

②「苦しみ多く」と「ふしあわせ」とは違う。

*兄との葛藤

*伯父のラバンとの葛藤

*愛妻を若くしてなくす

*ヨセフの死

*ベニヤミンを手放す決心

③苦しみは、わずかな年月しか続かない。

*ロマ8:18

(3)去る時も、パロを祝福している。

7.洞察力の結果

(1)ラメセスの地を所有

①ゴシェンの地の中でも最良の場所

(2)ヨセフは全家族を養った。

Ⅱ.ヨセフのビジネス倫理(47:13~26)

1.激しいききん

(1)全地に食物がなくなった。

①エジプトの地

②カナンの地

(2)ヤコブ一家がエジプトに買い出しに来た背景がこれである。

(3)暴動からエジプトを救ったのは、ヨセフの功績である。

(例話)日本の米騒動

1890年富山県富山市から始まり、19個所で騒動が発生した。

1897年富山県魚津町から始まり、10個所で。

1918年(大正7年)日本史上最大規模の民衆暴動

第一次大戦後のインフレ(米価4倍)

富山県魚津の漁村の主婦たちが米の他県への移出を阻止。

第4期まで続く。参加人員は数百万人規模。

10万人以上の軍隊が出動。

寺内内閣が退陣し、原敬(たかし)内閣が誕生(政党内閣)

(4)ヨセフは、パロの利益を守りつつ、民衆に正義を行った。

2.貨幣の回収

(1)豊作の7年間に、穀物を購入し、貯蔵していた。

(2)その穀物を、利益を乗せた価格で売却した。

①諸経費、人件費を上乗せ。

②適度な利益を上乗せ。

③民衆の側に不満はない。

(3)集まった銀をパロの口座に入れた。

①アカウンタビリティ

②次のステップに備えて財政基盤を充実させた。

3.家畜の所有

(1)6年目のことであろう。

①穀物を買う貨幣がない状態

(2)「どうして私たちがあなたさまの前に死んでよいでしょう」

①ヨセフに力があることを認めている。

②ヨセフに憐みの心があることを認めている。

「あなたさまは、わたしどもを見殺しになさるおつもりですか」(新共同訳)

(3)ヨセフは物々交換を提案した。

①パロと民衆の間に立つ苦労がある。

②家畜を所有していても、見殺しにするだけ。

③民衆は喜んでその提案を受け入れた。

(4)エジプト中の馬、羊の群れ、牛の群れ、ろば、などがパロのものとなった。

4.土地の所有

(1)7年目のことであろう。

(2)民衆からの提案

①銀と家畜は尽きた。

②からだと農地しか残っていない。

③農地を買って欲しい。

④自分たちは奴隷となる。

⑤種を下さい(ききんが7年で終わることを知っていた)。

⑥自分たちは死ななくてもいいし、土地も荒れない。

(3)エジプトの全農地がパロのものとなった。

①ヨセフは不道徳なことをしているわけではない。

②民衆の苦境を助けつつ、パロの財産を増やしている。

(4)例外は、祭司たちの土地

4.農地改革(封建制の確立)

(1)人口移動

①所有権の放棄を確定づけた。

②ヘブル人と同じように寄留者とさせる。

(2)小作契約

①農地と種の供与

②5分の1は税

③5分の4は彼らの取り分

*その中から、次年度の種を確保する。

*残りは生活のために用いる。

(3)この政策はそれ以降も続いた。「これは今日に及んでいる」

①モーセがこの書を書いた時代まで。

②出エジプト時代のパロは、ヨセフのことを知らなかったが恩恵を受けていた。

Ⅲ.ヤコブの信仰(47:27~31)

1.17年後

(1)イスラエルの民の人口増加

①出1:7につながる。

(2)ヤコブは147歳となり、死期が近づく。

2.ヨセフへの遺言

(1)契約の形を取っている。

①ももの下に手を入れる。

②創24:2 アブラハムとエリエゼルの契約

(2)「先祖たちとともに眠りにつく」

①死後の命の確信

②死は眠りである。

(3)「先祖たちの墓に葬ってくれ」

3.合意

(1)ヨセフは父に誓った。

(2)イスラエルは「床に寝たまま、おじぎをした」

(3)神を礼拝したという意味。

結論:このメッセージは、寄留者がいかに生きるべきかを教えるものである。

1.ヨセフの洞察力(寄留者としての自己認識)

(1)アブラハム以来の民族の歴史の文脈を見る目

(2)将来を見通す目

①エジプトは寄留の地

②必ずカナンの地に帰還する。

(3)自らの役割を見る目

2.ヨセフのビジネス倫理(寄留者の実生活)

(1)無私の心(アカウンタビリティ)

(2)ウイン-ウインの関係を作ろうとする。

(3)憐みの心を示す。

3.ヤコブの信仰(寄留者の目指す地)

(1)寄留者であることの表明

(2)子孫の将来はカナンの地にしかないことを教える。

(3)カナンの地はより優れた都の雛型である。

①ヘブ11:16

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