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創世記(26)—アブラハム契約の締結—
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アブラハム契約が聖書を読み解く鍵であることを学ぶ。
創世記26 創世記15章7節~21節
「アブラハム契約の締結」
イントロ:
1.前回までの復習
(1)神はアブラムを選び、彼とその子孫を通して全人類を救おうとされた。
(2)アブラムは神からの召しに応答し、ウルを出てカナンの地にすむようになった。
(3)前回は、アブラムの義認について学んだ。
①彼は、自分の子孫が星の数ほどに増えるという神の約束を信じた。
②それは、アブラハム契約を信じたことと同じである。
③その信仰のゆえに、アブラムは義と認められた。
2.きょうの箇所
(1)子孫についての預言が与えられる。
(2)アブラハム契約が締結される。
(3)与えられる土地の範囲が明確になる。
3.メッセージのアウトライン
(1)契約の準備
(2)子孫に関する預言
(3)契約の締結
(4)土地に関する預言
4.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)アブラハム契約は、今も有効である。
(2)イスラエルに与えられた約束は、今も有効である。
(3)異邦人の救いは、アブラハム契約の一部である。
このメッセージは、アブラハム契約が聖書を読み解く鍵であることを教えている。
Ⅰ.契約の準備
1.契約の形式 出エジプト20:2
「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、【主】である」
(1)これはモーセ契約の「前書き」である。
(2)当事者が、名を名乗る。
2.創世記15:7は、アブラハム契約の「前書き」
「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した【主】である」
(1)「わたしは、主である」
(2)ヤハウェ(4文字)。契約を守る神。
①14章では、神はアブラムの盾。
②15章では、神は、アブラムに息子を与えるという約束を守る方。
(3)アブラハム契約は、12章、13章で何度か出てきたが、15章で正式な締結となる。
3.アブラムの応答
「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか」
(1)子孫が罪を犯したなら、約束の地に入れなくなるのではないかと、恐れた。
(2)つまり、アブラハム契約が無条件契約であることの確認を求めているのである。
4.神の回答
「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい」
(1)通常は、一匹の家畜。ここでは、5種類のいけにえ。
(2)この契約の厳粛さと重要性を示している。
(3)これは血の契約である。
(4)ラビの解釈:彼の恐れに対して、「罪の贖いが用意されている」という神からの回答。
5.4種類の契約
(1)手の契約 エズ10:19(原文では「手を与える」とある)、エゼ17:18(口語訳参照)
①合意した時に、握手をするか、腰を打つ。
(2)靴の契約 ルツ4:7~12
①合意した時に、靴(サンダル)を交換する。
②その契約は、靴を元のように返すまで有効。
(3)塩の契約 レビ2:13、民18:19、Ⅱ歴13:5
①相手の塩袋に手を入れて、一つまみ取り、それを自分の塩袋に入れる。
②塩は元に戻らない。
(4)血の契約
①最も厳粛な契約。
②動物を切り裂き、両側に並べ、当事者がその間を歩く。
③違反したなら、命をもって償うという契約。
④アブラハム契約は、血の契約である。
6.アブラムの従順
「彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった」
(1)血が流されている。血の契約である。
(2)猛禽を死体から追い払うアブラム。
(3)不吉な予感。
(4)契約の内容には、ひとつ不吉な要素がある。エジプトで奴隷となる。
Ⅱ.子孫に関する預言
1.アブラムの状態
(1)「日が沈みかかったころ」(12節)。5節以降、まる一日が経過している。
(2)「深い眠り」。これは、幻を見るための眠りである。アブラムには意識がある。
①同じ眠りが、創2:21にあった。
「神である【主】は深い眠りをその人に下されたので、彼は眠った。そして、彼のあばら骨の一つを取り、そのところの肉をふさがれた」
②「ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った」。アブラムには意識があった。
2.神からの語りかけ
(1)エジプトでの奴隷生活の預言
①400年間(1876~1476B.C.)とある。使徒7:6。
②430年間(1876~1446B.C.)ともある。出エジプト12:40~41、ガラテヤ3:17。
③エジプト滞在期間は430年間、奴隷の期間は400年間と考える。
(2)神はエジプトを裁く(14節)。
①アブラハム契約の条項
②呪いには呪い。同じ種類の呪いが返る。
(3)アブラム個人には、平安の約束(15節)
「あなた自身は平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう」
①「先祖のもとに行き」:アブラムの魂のことである。
②行き先は、シオールである(地球の中心にあるとされる)。
(4)カナンの地への帰還の約束(16節)
①4代目の者たち:一代は必ずしも40年ではない。
②20年、60年、80年のこともある。ここでは、100年。
③4代目(出6:16~21):レビ、ケハテ、アムラム、モーセとアロン。
(5)それほど長く待つ理由
「それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである」
①レビ18:24~30、20:22~27、申18:9~14
②エモリ人たちには、言い訳はできない。神の恵みは十分に与えられた。
③ヨシュアによるカナンの地の征服は、神の裁きとしての側面を持つ。
Ⅲ.契約の締結
1.タイミング
(1)15:12では、薄暮である。
(2)15:17では、暗闇である。
2.当事者
(1)シャカイナグローリーが現れた。
①通常は、光、火、雲、あるいはその混合。
②ここでは、2つのものが現れた。
*煙の立ちかまど、燃えているたいまつ
*たいまつの火によって、かまどから煙が立っている。
③切り裂かれた死体の間を、シャカイナグローリーが通過した。
(2)アブラムは眠っていた。
①この契約は、片務契約であり、無条件契約である。
②アブラムとその子孫が失敗しても、この契約は継続する。
3.結果
(1)契約は、その日に締結された。
(2)血の契約に追加条項を加えることはできるが、基本条項を変更することはできない。
Ⅳ.土地に関する預言
1. 約束の地の境が明確にされる。
(1)アブラムと、その子孫に与えられる。
(2)南の境:エジプトの川
①ナイル川ではない。
②シナイ半島の中央を流れるワジ・エル・アリシュでもない。
*ナハル(nahar、川)と、ナカル(nachal、ワジ)とは区別される。
③ナイル川はデルタ地帯で分岐し、いくつかの支流となる。東端の川が「エジプトの川」。
(3)北の境:ユーフラテス川
2.土地を奪われる民
(1)10の部族。これが全リストである。
(2)時には、6部族(出3:8、3:17、23:23、申20:17)
(3)時には、7部族(申7:1、ヨシ3:10)
結論
1.アブラハム契約は、今も有効である。
(1)片務契約。無条件契約。
(2)イスラエルの失敗によって無効となるものではない。
2.イスラエルに与えられた契約は、今も有効である。
(1)いわゆるパレスチナ問題は、解決済み。そこはイスラエルに与えられた土地である。
(2)それを認めないところに、問題の根がある。
(例話)ディック・ローの失敗。
3.異邦人の救いは、アブラハム契約の一部である。
(1)アブラハム契約の「祝福」の部分に私たちは参加している。
(2)イエス・キリストにある救いは、無条件契約である。
①何をしてもいいという意味ではない。
②罪を犯せば、神からの裁きと、訓練が下る。
③しかし、悔い改めの道が残されている。
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