私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
出エジプト記(24)—イテロの到着—
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神からの訓練を受けることを学ぶ。
出エジ24 出エジプト記18章1節~12節
「イテロの到着」
1.文脈の確認
(1)レフィディムでの体験
①メリバの水
②アマレクとの戦い
③イテロとの出会い(激闘の後の静寂とでも言うべき風景)
*イテロの到着
*イテロの助言
2.アウトライン
(1)イテロが旅をしてきた理由(18:1~6)
(2)イテロとモーセの会見(18:7~12)
3.きょうのメッセージは、私たちに何を教えているか。
(1)不信仰の結果
(2)人材への投資
(3)家族伝道
このメッセージは、神からの訓練を受けるためのものである。
Ⅰ.イテロが旅をしてきた理由(18:1~6)
1.イテロという人物(1節)
(1)出2:18 レウエルは固有名詞。
①「神の友」という意味
②アブラハム→イサク→エサウ→レウエル(アブラハムのひ孫)
③母は、イシュマエルの娘でネバヨテの妹バセマテ(創36:4)。
(2)出18:1 イテロはタイトル。
①「卓越した」という意味
②ミデヤンには王はなく、祭司が首長であった。
(3)モーセのしゅうと
①出2:16~22 モーセは井戸のそばでレウエルの7人の娘たちを助けた。
②レウエルは、モーセを招いて食事をした。
③モーセは、思い切ってこの人といっしょに住むようにした。
④レウエルは、娘のチッポラをモーセに与えた。
(4)イテロの移動
①出エジプトの情報が彼に伝えられた。
②神がモーセと御民イスラエルのためになさったすべてのことを聞いた。
2.イテロが連れて行った人々(2節~4節)
(1)モーセの家族
①妻のチッポラ
②長男のゲルショム
③次男のエリエゼル
*この名前はここで初めて登場する。
(2)家族が実家で待機していた理由
①出4:24~26
②エジプトへの途上、モーセは危篤状態に陥った。
③モーセが次男に割礼を施していなかったので、神が怒った。
*神はアブラハム契約の条項に違反しているモーセを殺そうとされた。
*アブラハム契約の条項に違反したままでは、解放者の資格はない。
④妻のチッポラは、急いで弟に割礼を施した。
⑤その包皮をモーセの両足につけ、モーセを死から救った。
⑥モーセは家族を家に帰した。
*不信仰な家族は、神の計画にとって妨害となる。
⑦マタ19:29
「また、わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、あるいは畑を捨て
た者はすべて、その幾倍もを受け、また永遠のいのちを受け継ぎます」
⑧マタ10:37
「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません。ま
た、わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしい者ではありません」
*実際に憎むということではない。
*優先順位の問題である。
(3)長男ゲルショム
「そのひとりの名はゲルショムであった。それは『私は外国にいる寄留者だ』という
意味である」(新改訳)
「一人は、モーセが、『わたしは異国にいる寄留者だ』と言って、ゲルショムと名付
け、」(新共同訳)
①ゲルショムの意味は、「寄留者」「外国人」である。
*ヘブル人は、誕生時の背景や状況を基に名前を付けることが多い。
②創46:11 「レビの子はゲルション、ケハテ、メラリ」
*アロンとモーセは、レビ→ケハテ→アムラム→アロンとモーセとなる。
*モーセは、大伯父の名前を自分の長男に付けた。
③この命名は、モーセの信仰告白でもある。
*ヘブ11:13
「これらの人々はみな、信仰の人々として死にました。約束のものを手に入
れることはありませんでしたが、はるかにそれを見て喜び迎え、地上では旅
人であり寄留者であることを告白していたのです」
(4)次男エリエゼル
「もうひとりの名はエリエゼル。それは『私の父の神は私の助けであり、パロの剣か
ら私を救われた』という意味である」(新改訳)
「もう一人は、『わたしの父の神はわたしの助け、ファラオの剣からわたしを救われ
た』と言って、エリエゼルと名付けた」(新共同訳)
①エリエゼルの意味は、「神は助け手」である。
②殺人者モーセがエジプトを逃れた経緯を指す。
③エリエゼルという名前はここで初めて登場する。
④出4章でチッポラが急いで割礼を施した息子である。
3.イテロの到着(5節~6節)
(1)燃える柴のシナイ山からおよそ1日半の距離か。
①モーセは、シナイ山まで羊を追って来ていた。
②老人にとってもさほどの距離ではない。
(2)イテロからモーセへの伝言
①アマレクとの戦いの後は、衛兵が配置されていたと思われる。
②モーセは、取り次ぎが必要なほど重要な人物となっている。
Ⅱ.イテロとモーセの会見(18:7~12)
1.モーセが示す敬意(7節)
(1)イテロはモーセの義父であり、ミデヤンの祭司である。
(2)当時のこの地方の習慣
①身をかがめ(おじぎをすること)
②口づけした。
2.モーセの報告(8節)
(1)エジプトの偶像たちが裁かれたこと
(2)葦の海を渡ったこと
(3)荒野でのすべての困難と、そこからの救出劇
3.イテロの喜び(9~11節)
(1)ともに喜んだ。
①ロマ12:15
「喜ぶ者といっしょに喜び、泣く者といっしょに泣きなさい」
②人間関係を豊かにする秘訣
(2)告白
「【主】はほむべきかな。主はあなたがたをエジプトの手と、パロの手から救い出し、
この民をエジプトの支配から救い出されました」
「今こそ私は【主】があらゆる神々にまさって偉大であることを知りました。実に彼
らがこの民に対して不遜であったということにおいても」
①異邦人であるイテロが【主】(ヤハウェ)を称えている。
②彼は【主】に関する知識を持っていたが、今や体験的に【主】を知った。
③エジプトの偶像たちは、不遜であった。
4.全焼のいけにえと食事(12節)
(1)祭司であるイテロは、全焼のいけにえを捧げた。
①モーセの律法が与えられる前の自然な行為
②将来の祭司アロンは、ここでは受動的な存在である。
(2)神の前での食事
①これは、契約の食事である。
②イテロは、契約の民イスラエルの共同体の一員となった。
*彼はマナを食べた。
③契約の食事の典型:新しい契約を結ぶ際の過越の食事
結論:このメッセージは、神からの訓練を受けるためのものである。
1.不信仰の結果
(1)チッポラは4:25で登場し、次に出てくるのは、18:2である。
①割礼を嫌ったために、モーセが実家に送り返した。
(2)彼女が体験しそこなったこと
①エジプトに下った9つの災害
②エジプトに下った第10の災害と過越の食事
③葦の海が2つに分かれ、民がそこを通過した体験
④マラで水が甘く変った体験
⑤エリムでのオアシスの体験
⑥マナが降る体験(これ以降、彼女もそれを食べるようになる)
⑦アマレクに勝利した体験
2.人材への投資
(1)イテロはモーセに投資したと言える。
①寄留者のモーセを家に招き入れ、そこに定住することを勧めた。
②娘のチッポラを嫁として与えた。
(2)投資の結果
①イテロにとっては、誇らしい結果となった。
②「モーセのしゅうとイテロ」という言葉の繰り返しがある。
*1、2、5、12(2回)、14、17
(3)よき奉仕者の背後には、その人に投資をした人がいる。
①ヨナタンとダビデ
②パウロとテモテ
(4)投資を受けた人には責任がともなう。
①良き実をつけること
②次世代への投資を行うこと
*モーセとヨシュアの関係
3.家族伝道
(1)イテロの信仰告白
①多くの学者が、これを異邦人の救いの型と見る(先駆けと見ていいだろう)。
②エペ3:6
「その奥義とは、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の
相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となると
いうことです」
③イザ2:2~3
「終わりの日に、【主】の家の山は、山々の頂に堅く立ち、丘々よりもそびえ立
ち、すべての国々がそこに流れて来る。多くの民が来て言う。『さあ、【主】の山、
ヤコブの神の家に上ろう。主はご自分の道を、私たちに教えてくださる。私たち
はその小道を歩もう』。それは、シオンからみおしえが出、エルサレムから【主】
のことばが出るからだ」
(2)イテロの子どもたち
①民10:29 レウエルの子ホバブ
②士1:16 ケニ人の子孫(ミデヤン人)
③士4:11 ケニ人ヘベル
(3)モーセの存在が、家族を【主】に導いた。
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