私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
メシアの生涯(209)—復活(7)—
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大宣教命令について考えてみる。
「復活(7)」
マタ28:16~20、1コリ15:7
1.はじめに
(1)文脈の確認
①聖書は、復活のイエスの出現を10回記録している。
②復活の当日(日曜日)に5回、それ以降の40日間に5回。
(2)復活のイエスの顕現
①マグダラのマリアに(マコ16:9~11)
②女たちに(マタ28:8~10)
③エマオ途上の2人の弟子たちに(ルカ24:13~32)
④ペテロに(ルカ24:34)
⑤トマスを除いた使徒たちに(ヨハ20:19~25)
⑥トマスを含めた使徒たちに(ヨハ20:26~31)
⑦ガリラヤ湖畔で7人の弟子たちに(ヨハ21章)
⑧500人以上の信者たちに(1コリ15:6)
⑨ヤコブに(1コリ15:7)
⑩オリーブ山で使徒たちに(使1:3~12)
(3)今回は、8回目と9回目現れを見てみる。
(4)A.T.ロバートソンの調和表
§181 500人への現れ
マコ16:15~18、マタ28:16~20、1コリ15:6
§182 ヤコブへの現れ
1コリ15:7
2.アウトライン
(1)大宣教命令の背景
(2)大宣教命令の内容
(3)ヤコブへの現れ
3.結論
(1)マコ16:16~18
(2)大宣教命令の規模
大宣教命令について考えてみる。
Ⅰ.大宣教命令の背景(8番目の現れ)
1.16節
Mat 28:16 しかし、十一人の弟子たちは、ガリラヤに行って、イエスの指示された山に登った。
(1)11人の弟子たちは、イエスの指示された山に登った。
①これは、ヨハネ21章の「和解の食事」の後の出来事である。
②マタイは、いくつかの重要な出来事を省略している。
*イエスが10人の弟子に現れたこと(その日)
*イエスがトマスに現れたこと(8日後)
*「和解の食事」(何日後かは分からない)
③マタイは、弟子たちがついにガリラヤに行ったことを記している。
④イエスが指示された山がどこかは、明示されていない。
⑤イエスが事前にどの山であるかを指示しておられた。
⑥ガリラヤ地方の信者たちは、その情報を知って事前に集まっていた。
⑦ガリラヤでの復活のイエスの現れは、数々の現れのクライマックスである。
(2)1コリ15:6に補完的情報がある。
1Co 15:6 その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。その中の大多数の者は今なお生き残っていますが、すでに眠った者もいくらかいます。
①キリストは500人以上の兄弟たちに同時に現れた。
*キリストを見たというのは、幻ではない。
②その中の大多数の者は今なお生き残っている。
*確かめたければ、確かめることが可能である。
③この500人の中に11弟子も含まれていた。
2.17節
Mat 28:17 そして、イエスにお会いしたとき、彼らは礼拝した。しかし、ある者は疑った。
(1)礼拝した。「プロスクネオウ」。ひれ伏すこと。
①弟子たちがイエスを礼拝しているのは、これが初めてである。
②11人の弟子たちにとっては、復活のイエスが神であるのは当然のことである。
(2)しかし、ある者は疑った。
①これは、11人の弟子たちへの言及ではない。
②初めて復活のイエスを見た者は、当惑したのである。
③11人の弟子たちも、最初はそうであった。
④復活のイエスを見て疑った人がいたというのは、真実味のある記録である。
Ⅱ.大宣教命令の内容
1.18節
Mat 28:18 イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても、地においても、いっさいの権威が与えられています。
(1)イエスは彼らに近づき、驚くべき宣言をされた。
①権威。「エクスーシア」。正式な権利や力のこと。
②復活のイエスは、父なる神からその権威を受けた。
(2)権威に新しい意味が付加された。
①地上生涯において、イエスは多くのしるしをもってご自身の権威を示された。
②ここでは、復活のイエスがすでに天に座している者として語っている。
③父から与えられた権威とは、天と地を支配する権威である。
④天にある資源や力を自由に用いることができる。限界のない権威である。
(3)この権威に基づいて、イエスは弟子たちに大宣教命令を与えるのである。
①この宣言によって、疑った人たちの疑いは氷解した。
②金も、軍勢も、馬も、弓矢もない500人の集団が、世界征服に着手する。
③彼らは何も持っていなかったが、すべてを持っていた。
④それが現実化するのが、ペンテコステの出来事である。
2.19~20節a
Mat 28:19 それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
Mat 28:20a また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。
(1)大宣教命令のゴールは弟子作りである。
①これが命令形の動詞である。
②「行く」、「バプテスマを授ける」、「教える」はすべて分詞形である。
③あらゆる国の人々が対象である。異邦人も対象に含まれる。
*異邦人をユダヤ人にするのではない。
④これがキリストの世界宣教計画である。
⑤弟子たちがそれを理解するのに、エルサレム会議が必要であった。
(2)「行く」
①出て行って福音を伝える。あるいは、出ていくようになるからという意味。
②福音の内容は、パウロが1コリ15:3~4で教えているものと同じである。
(3)「バプテスマを授ける」
①バプテスマは救いの条件ではない。
②これは、弟子となるための過程である。
③これは、キリストの命令である。
④「父、子、聖霊の御名によって」。「御名」は単数形である。
⑤バプテスマによって、信者は三位一体の神と同一化する。
*神は父である。
*イエス・キリストは主であり救い主である。
*聖霊は内に住み、力を与え、教えてくださる助け主である。
(4)「教える」
①信者にするだけでは不十分である。
②聖書全体、特にキリストの命令について教える。
③弟子訓練のゴールは、キリストに似た弟子を育てることである。
④そのためには、組織的な学びが必要である。
3.20節b
Mat 28:20b 見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
(1)大宣教命令にともなう約束
①孤独な戦いを繰り広げるのではない。
②いつも、復活のキリストがともに戦ってくださる。
(2)「世の終わりまで」
①キリストの再臨までという意味である。
②全世界に福音が伝えられたある時点で、キリストの再臨が起こる。
③この約束は、キリストの再臨の約束まで含んでいる。
Ⅲ.ヤコブへの現れ(9番目の現れ)
1.1コリ15:7
1Co 15:7 その後、キリストはヤコブに現れ、それから使徒たち全部に現れました。
(1)ヤコブという名の使徒
①ヨハネの兄のヤコブ(使徒たちの中では最初の殉教者となった)
②アルパヨの子ヤコブ
③1コリ15:7のヤコブは、イエスの弟である。
(2)イエスの弟たちは、以前にはイエスを信じていなかった。
①使1:14では信者になっている。
Act 1:14 この人たちは、婦人たちやイエスの母マリヤ、およびイエスの兄弟たちとともに、みな心を合わせ、祈りに専念していた。
②ヤコブは、復活のイエスを見て信者になった。
2.その後のヤコブ
(1)エルサレム教会の長となった。
①使12:17、15:13、21:18
②ヤコブの手紙を書いた。紀元49年。
(2)使徒の賜物を与えられた。
①第1グループの使徒は12人いた。
*ユダが抜けた時、マッテヤが選ばれた。
*使徒の条件は、公生涯の最初から召天まで目撃したこと。
②第2グループの使徒は3人いた。
*パウロ、ヤコブ、バルナバ
*条件は、復活のイエスの出あったこと。
*1コリ9:1のパウロの言葉
1Co 9:1 私には自由がないでしょうか。私は使徒ではないのでしょうか。私は私たちの主イエスを見たのではないでしょうか。あなたがたは、主にあって私の働きの実ではありませんか。
結論
1.マコ16:16~18
Mar 16:16 信じてバプテスマを受ける者は、救われます。しかし、信じない者は罪に定められます。
Mar 16:17 信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、
Mar 16:18 蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」
(1)初期の最も信頼できる写本には出てこない。
①この部分に基づいて教理を打ち立てるべきではない。
②これを用いて、バプテスマを受けなければ救われないと教えてはならない。
(2)信者に伴う5つのしるし
①キリストの名によって悪霊を追い出す。
②新しいことばを語る。恐らく異言であろう。
③蛇をつかんでも害を受けない。
④毒を飲んでも害を受けない。
⑤病人に手を置けば病人はいやされる。
(3)使徒行伝では、①、②、③、⑤は起こっているが、④は起こっていない。
(4)しかし、これらのしるしは、すべての信者が体験するものではない。
2.大宣教命令の規模(4つの「all」がある
(1)いっさいの権威「all authority」
(2)あらゆる国の人々「all nations」
(3)すべてのこと「all things」
(4)いつも「always」
3.「私は、本当の上司を見つけた」
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