私たちはプロテスタントのキリスト教福音団体です。『1. 聖書のことばを字義どおりに解釈する 2. 文脈を重視する 3. 当時の人たちが理解した方法で聖書を読む 4. イスラエルと教会を区別する』この4点を大切に、ヘブル的聖書解釈を重視しています。詳しくは私たちの理念をご確認ください。
2025年 ハーベスト秋期聖会「現代のクリスチャンに必要なレンズ(1)」聖書的世界観―時代をどう見るか―
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3種類の世界観を対比させることにより、正しい世界観を身に付ける。
ハーベスト秋期聖会
「現代のクリスチャンに必要なレンズ(1)」
聖書的世界観―時代をどう見るか―
はじめに
1.この説教を語る理由
(1)現代社会の混乱と不確実性
①情報の氾濫
②相対主義の拡大
③偽情報(フェイクニュース)の害悪
(2)クリスチャンが抱える問題
①内向的信仰
②主観的・心情的信仰
③未信者との関係が断絶した信仰
(3)時代に流されないために必要なレンズが3つある。
①「聖書的世界観―世界をどう見るか―」
②「聖書的歴史観―歴史をどう読むか―」
③「聖書的イスラエル論―イスラエルをどう理解するか―」
(4)最も激しい霊的戦いは、人間の頭脳の中で行われている。
①それは、どのレンズを採用するかという戦いである。
②創3章でサタンが仕掛けたのは、事実の認知を巡る戦いである。
*「本当に神は言われたのか」
③霊的戦いは、教育、メディア、政治領域にも及んでいる。
2.アウトライン
(1) 聖書的世界観
(2)世俗的世界観
(3)異端的世界観
結論:今日の信者への適用
3 種類の世界観を対比させることにより、正しい世界観を身に付ける。
Ⅰ.聖書的世界観(5ポイント)
1.神は、唯一の創造主である。
(1)創1:1
Gen 1:1 はじめに神が天と地を創造された。
①この聖句は、聖書的世界観の出発点である。
②多神論や無神論とは明確に立場が異なる。
③無から有を造り出す創造主が、被造世界を支配しておられる。
(2)詩24:1
Psa 24:1 地とそこに満ちているもの/世界とその中に住んでいるもの/それは【主】のもの。
①この世界は偶然ではなく、目的と秩序をもって造られた。
②神は世界の設計者であり、支配者である。
2.人間は、神のかたちに創造された尊い存在である。
(1)創1:27
Gen 1:27 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして人を創造し、男と女に彼らを創造された。
①性別・年齢・能力に関係なく、すべての人に尊厳がある。
②人間は、他の被造物とは異なり、創造主との交わりに召された存在である。
(2)この聖句は、人間の尊厳・道徳性・関係性・創造性の基盤となる。
①無神論者も、この聖句が現代の人権論の出発点であることは否定できない。
②この真理が崩れると、自己中心主義・優生思想が広がる。
3.被造世界は、アダムの堕落の影響を受けている。
(1)ロマ8:20~22
Rom 8:20 被造物が虚無に服したのは、自分の意志からではなく、服従させた方によるものなので、彼らには望みがあるのです。
Rom 8:21 被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由にあずかります。
Rom 8:22 私たちは知っています。被造物のすべては、今に至るまで、ともにうめき、ともに産みの苦しみをしています。
①この聖句は、「悪と苦しみの問題」に対する鍵となる。
②被造物も嘆き、うめいている。
(2)現実の世界は、「創造された善」そのものではなく、「堕落した善」である。
①呪われた自然界には、「創造された善」の「名残り」がある。
4.神は、イエス・キリストによる救済計画を持っておられる。
(1)コロ1:19~20
Col 1:19 なぜなら神は、ご自分の満ち満ちたものをすべて御子のうちに宿らせ、
Col 1:20
その十字架の血によって平和をもたらし、御子によって、御子のために万物を和解させること、すなわち、地にあるものも天にあるものも、御子によって和解させることを良しとしてくださったからです。
①福音は個人の救いのみならず、宇宙的回復の始まりでもある。
(2)救済史の内容
①創造→堕落→贖い→完成
②救済史の中心にいるのがキリストである。
③福音がもたらす救いは、全世界を新しくするという壮大な物語につながる。
5.聖書は、「真理の源」として神から与えられたものである。
(1)2テモ3:16
2Ti 3:16 聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です。
①この聖句は、世界観の前提となる情報源の確立に答えを与える。
(2)聖書観の歪みは、世界観の歪みにつながる。
①聖書を信じない世界観は、結局は人間中心・相対主義に陥る。
Ⅱ.世俗的世界観(5ポイント)
1.自然主義・無神論に基づいて世界の成り立ちを説明する。
(1)創造主が存在するという啓示と対立する。
①ロマ1:20
Rom 1:20
神の、目に見えない性質、すなわち神の永遠の力と神性は、世界が創造されたときから被造物を通して知られ、はっきりと認められるので、彼らに弁解の余地はありません。
(2)世界の起源に関する土台が対立しているという現実は、非常に本質的である。
①自然主義は、「物質」だけが実在すると考え、神や霊的実在を排除する。
②無神論は、世界には必然的な意味も目的もないと結論づける。
2.人間は、偶然(進化論)の産物である。
(1)人間は神のかたちに造られたという理解と対立する。
①進化論的世界観は、人間を「進化の途中段階」と見なす。
②人間の本質的価値や尊厳が揺るがされる。
③命の軽視により、中絶・安楽死・優生思想などが正当化されやすくなる。
3.性善説に立って、教育や環境の力を信じる。
(1)アダムの堕落の影響を認める立場と対立する。
①性善説は「人間は本来善であるが、外的環境によって悪くなる」と見る。
②聖書は「人間の内側に罪がある」と見る(エレ17:9)。
③聖書は、人間の根本問題は教育では解決できず、「新生」が必要と教える。
4.世界は進歩し続ける。
(1)イエス・キリストが救済史の中心にいるという教えと対立する。
①世俗的進歩史観:「技術・知識・制度が進歩すれば世界はよくなる」
②聖書的歴史観:「人類は堕落しており、キリストによってのみ回復される」
③技術の発展と霊的退廃が同時進行する現実がある。
*AIと倫理の関係 「できること」と「すべきこと」の区別
*プライバシーの侵害、価値観の強要
5.真理はすべて相対的なものである。
(1)聖書は世界観の源であるという啓示と対立する。
①相対主義:「あなたの真理と私の真理がある」
②聖書:「神のことばこそ真理である」(ヨハ17:17)
③真理があいまいになると、信仰もあいまいになる。
Ⅲ.異端的世界観(5ポイント+1)
1.万人救済説(ユニバーサリズム):救済論の歪曲
(1)すべての人は、十字架によってすでに救われている。
①本人が気づいていないだけである。
②また、どの宗教でも結局は救われるというのもユニバーサリズムである。
③地獄は存在しないか、無意味である。
④エキュメニカル運動、ポストモダン思想、多文化主義の影響
(2)聖書との対立点
①イエスは唯一の道であり(ヨハ14:6)、信じなければ滅びる(ヨハ3:18)。
②ユニバーサリズムは、恵みと信仰による救いを否定する。
2.社会福音:人間中心主義
(1)福音とは、社会の改革(貧困撲滅、人種平等、制度改善など)である。
①個人の救いよりも、社会変革が重視される。
②19世紀末から20世紀初頭にかけて、リベラル神学の影響で発展した。
(2)聖書との対立点
①福音の本質(救い・新生)を社会運動にすり替え、永遠の視点を喪失。
②教会の第一義的使命は、大宣教命令である。
③地上の国は過ぎ去り、神の国は主イエスを通して到来する(ヨハ18:36)。
3.自己啓発的信仰(ポジティブ・シンキング):人間中心主義
(1)人間には、無限の可能性がある。
①あなたは、その可能性のほんの一部しか活用しいていない。
②神は、あなたを成功させたいと願っている。
③自己啓発運動(ナポレオン・ヒル、ノーマン・V・ピール)の影響あり。
(2)聖書との対立点
①自己肯定の強調により、悔い改めと十字架の必要性が失われる。
②人間は、罪に支配されており、自分を救うことはできない(エペ2:1~3)。
4.繁栄の神学(プロスぺリティ・ゴスペル):人間中心主義
(1)信仰があれば、健康・富・成功が与えられる。
①苦難や貧困は、信仰の欠如の証拠である。
②20世紀半ばのアメリカで拡大した。
③ポジティブ思考とアメリカンドリームに基づく世界観である。
(2)聖書との対立点
①物質主義が信仰の目的になり、福音が自己実現の手段に変質する。
②クリスチャンの祝福は、この世の成功ではなく、主との親密な関係である。
5.神秘主義的信仰(ミスティシズム):真理源の相対化
(1)夢・幻・奇跡・感情的体験などは、霊的成熟の証拠である。
①過激なペンテコステ運動やニューエイジの影響が入り込んでいる。
②客観的な啓示(聖書)を軽視し、主観的な経験を真理の基準に置く。
(2)聖書との対立点
①聖書は、経験ではなく、みことばに基づく信仰を求める(ロマ10:17)。
②「霊」をすべて信じるのではなく、吟味せよと命じている(1ヨハ4:1)。
6.その他の世界観
(1)ポストモダン的キリスト教(反権威主義的霊性)
(2)ニューエイジ的統合思想(ワンネス)
(3)グノーシス主義的傾向(特別な啓示や知識を得た者だけが救われる)
結論:現代のクリスチャンへの適用
1.聖書的世界観の復習
(1)神は、唯一の創造主である。
(2)人間は、神のかたちに創造された尊い存在である。
(3)被造世界は、アダムの堕落の影響を受けている。
(4)神は、イエス・キリストによる救済計画を持っておられる。
(5)聖書は、「真理の源」として神から与えられたものである。
2.福音に掛かっている覆い
(1)2コリ4:3~4
2Co 4:3
それでもなお私たちの福音に覆いが掛かっているとしたら、それは、滅び行く人々に対して覆いが掛かっているということです。
2Co 4:4
彼らの場合は、この世の神が、信じない者たちの思いを暗くし、神のかたちであるキリストの栄光に関わる福音の光を、輝かせないようにしているのです。
(2) 2コリ4:6
2Co 4:6
「闇の中から光が輝き出よ」と言われた神が、キリストの御顔にある神の栄光を知る知識を輝かせるために、私たちの心を照らしてくださったのです。
(3)2コリ3:16
2Co 3:16 しかし、人が主に立ち返るなら、いつでもその覆いは除かれます。
3.自問自答すべきテーマ
(1)私は、何によって「世界の見方」を決めているだろうか。
①聖書か、それ以外のもの(ニュース、SNS、この世の常識)か。
(2)私は、何を信仰のゴールにしているだろうか。
①神との関係か、それ以外のもの(成功や快適さ)か。
(3)私は、聖書的世界観の具現者となっているだろうか。
①言行一致か、言行不一致か。




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