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ヨハネの福音書(21)指導者たちの不信仰ヨハ7:45~52
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指導者たちの不信仰について学ぶ。
ヨハネの福音書(21)
指導者たちの不信仰
ヨハ7:45~52
1.文脈の確認
(1)前書き(1:1~18)
(2)イエスの公生涯(1:19~12:50)
①公生涯への序曲(1:19~51)
②初期ガリラヤ伝道(2:1~12)
③最初のエルサレム訪問(2:13~3:36)
④サマリア伝道(4:1~42)
⑤ガリラヤ伝道の再開(4:43~54)
⑥2度目のエルサレム訪問(5:1~47)
⑦後期ガリラヤ伝道(6:1~7:9)
⑧3度目のエルサレム訪問(7:10~10:42)
*仮庵の祭りでの教え(7:10~44)
*指導者たちの不信仰(7:45~52)
2.注目すべき点
(1)イエスの仮庵の祭りでの説教が終わった。
(2)指導者たちはイエスを捕えたいと思った。
(3)しかし、だれもイエスに手をかける者はいなかった。
(4)エリート意識を持つ指導者たちの問題が明らかになる。
3.アウトライン
(1)下役たちの判断(7:45~46)
(2)指導者たちの偏見(7:47~49)
(3)ニコデモの疑問(7:50~52)
4.結論:ニコデモの信仰
指導者たちの不信仰について学ぶ。
Ⅰ.下役たちの判断(7:45~46)
1.45節
Joh 7:45
さて、祭司長たちとパリサイ人たちは、下役たちが自分たちのところに戻って来たとき、彼らに言った。「なぜあの人を連れて来なかったのか。」
(1)「下役」
①ローマ帝国は、ユダヤ人に一定の自治権を与えていた。
*ユダヤ人は統治するのが困難な民である。
*社会生活と宗教生活の分野は、ユダヤ人が自ら治めていた。
*ユダヤ教は公認宗教の地位を得ていた。
*ユダヤ議会(サンヘドリン)が統治していた。
②下役とは、神殿の警備や管理に携わる神殿警備隊である。
*彼らは、レビ人である。
*神殿を汚したり、神殿で騒ぎを起こしたりする者たちを逮捕した。
*彼らは、サンヘドリンの指揮下にあった。
③彼らは、イエスを逮捕するためにサンヘドリンから派遣されていた。
*サンヘドリンは、偏見によってイエスが有罪であると決めていた。
(2)下役たちは、手ぶらで戻ってきた。
①イエスを逮捕する理由が見つからなかったのである。
②ローマ兵の場合は、任務に失敗すると死刑に処される。
③神殿警備隊の主な任務は、神殿域での秩序の維持である。
④イエスを逮捕しなくても、死刑に処されることはない。
(3)祭司長たちとパリサイ人たちは怒り、なぜ任務を果たさないのかと詰問する。
①彼らは、イエスを尋問するための準備を整えて待っていた。
②しかし、事態は予期せぬ方向に展開した(イエスが連行されなかった)。
2.46節
Joh 7:46
下役たちは答えた。「これまで、あの人のように話した人はいませんでした。」
(1)下役たちは、逮捕する前に、イエスの教えに耳を傾けた。
①彼らは、イエスの教えに感動した。
②彼らは、これまでも高名なラビの教えを聞いてきた。
③しかし、イエスの教えは、そのどれとも異なっていた。
*権威、恵み、知恵に満ちていた。
*偏見なしに耳を傾けるなら、それが真理であることが分かる。
*ここには、罪人がイエスの教えに感動した例がある。
*先入観なしにイエスのことばに耳を傾ければ、真理が見えてくる。
④下役たちは、イエスの本質について証言している。
Ⅱ.指導者たちの偏見(7:47~49)
1.47~48節
Joh 7:47
そこで、パリサイ人たちは答えた。「おまえたちまで惑わされているのか。
Joh 7:48 議員やパリサイ人の中で、だれかイエスを信じた者がいたか。
(1)パリサイ人たちは、下役たちを見下した。
①群衆は、律法に無知だから惑わされる。
②律法を学ばない者は、のろわれている。
③お前たちまで惑わされているのは、驚きである。
(2)指導者の中でイエスを信じた者はいない。
①議員とは、ユダヤ議会の議員たちである。
②パリサイ人とは、公式な律法の教師たちである。
③律法を学んだ者は、知恵があるので、惑わされない。
*律法を学んだ者が最も不信仰な者であるというのは、皮肉である。
*学びには、信仰につながるものと、不信仰につながるものがある。
④指導者の中にもイエスを信じる者がいた。
2.49節
Joh 7:49 それにしても、律法を知らないこの群衆はのろわれている。」
(1)指導者たちは、自らの知識を誇りとした。
①群衆は律法に関して無知なので、呪われている。
②申28:15
Deu 28:15
しかし、もしあなたの神、【主】の御声に聞き従わず、私が今日あなたに命じる、主のすべての命令と掟を守り行わないなら、次のすべてののろいがあなたに臨み、あなたをとらえる。
(2)呪われているのは群衆ではなく、指導者たちである。
①エリート意識からくるプライドが、信仰の邪魔をしていた。
②それゆえ、イエスのことばに耳を傾けることがなかった。
*彼らは、下役たちのようではなかった。
*ニコデモのようでもなかった。
Ⅲ.ニコデモの疑問(7:50~52)
1.50節
Joh 7:50
彼らのうちの一人で、イエスのもとに来たことのあるニコデモが彼らに言った。
(1)かつて、夜にイエスを訪問したことのあるニコデモが疑問を呈した。
①ニコデモとイエスの対話は、3章に記されている。
②彼は、同僚たちの霊的盲目状態と、それに基づく偏見に耐えられなくなった。
③彼は、イエスを擁護したわけではなく、結論を出す過程に疑問を呈した。
2.51節
Joh 7:51
「私たちの律法は、まず本人から話を聞き、その人が何をしているのかを知ったうえでなければ、さばくことをしないのではないか。」
(1)モーセの律法に基づいて、相手の言い分を聞いてから判決を下すべきだ。
①申1:16~17
Deu 1:16
そのとき、私はあなたがたのさばき人たちに命じた。「あなたがたの同胞相互の言い分をよく聞き、ある人とその同胞との間、また寄留者との間を正しくさばきなさい。
Deu 1:17
裁判では人を偏って見てはならない。身分の低い人にも高い人にもみな、同じように聞かなければならない。人を恐れてはならない。さばきは神のものだからである。あなたがたにとって難しすぎる事柄は、私のところに持って来なさい。私がそれを聞こう。」
②ニコデモは、すでにイエスを信じていたと思われる。
3.52節
Joh 7:52
彼らはニコデモに答えて言った。「あなたもガリラヤの出なのか。よく調べなさい。ガリラヤから預言者は起こらないことが分かるだろう。」
(1)指導者たちは、論理的にではなく、感情的に応答した。
①偏見があるので、事実関係を確かめる前に結論を出している。
②論理的に回答できないので、疑問を呈した相手の人格攻撃を始める。
③彼らは、ニコデモを軽蔑した。
*ユダヤの住民たちは、ガリラヤ人を見下していた。
(2)「ガリラヤから預言者は起こらないことが分かるだろう」
①これは言い過ぎである。
*エリシャ、ヨナ、ホセア、ナホムなどが、ガリラヤ出身であった。
②ガリラヤにラビの学校がなかったので、こういう発言になったのであろう。
③あるいは、「預言者」をメシアという意味で使った可能性がある。
④しっかり調査すれば、イエスがベツレヘム出身であることが分かる。
結論:ニコデモの信仰
1.探求の段階(魂は真夜中の状態)
(1)ヨハ3:1~21
(2)イエスの「しるし」を見て、神から遣わされた教師だとの認識を持った。
(3)イエスの神性や救いの計画について完全には理解していなかった。
(4)同胞からの批判を恐れたため、夜にイエスを訪問した。
(5)新生の重要性についてイエスから教えを受けた。
2.公の場での弁護の段階(魂は夜明けの状態)
(1)ヨハ7:50~51
(2)イエスへの信仰が芽生えている。
(3)名声を失うことや共同体からの追放を恐れて、信仰告白には至っていない。
3.公に告白する段階(魂は昼間の状態)
(1)ヨハ19:38~42
(2)アリマタヤのヨセフとともに、イエスの埋葬を行った。
(3)信仰が外面の行為として表現された。
(4)地上の富や名声よりも、イエスを信じる者たちとともに苦しむことを選んだ。
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