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コリント人への手紙第二(7)奉仕の本質の解説―和解の奉仕―5:11~6:10
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パウロの奉仕の姿勢について学ぶ。
コリント人への手紙第二 7回
奉仕の本質の解説―和解の奉仕―
5 :11~6:10
はじめに
1.文脈の確認
(1)イントロダクション(1:1~11)
(2)パウロを疑う者たちへの回答(1:12~7:16)
①計画変更についての弁明(1:12~2:17)
②奉仕の本質の解説(3:1~6:10)
*新しい契約に仕える祝福(3:1~11)
*大胆な奉仕(3:12~4:6)
*宝を入れた土の器(4:7~5:10)
*和解の奉仕(5:11~6:10)
③信頼回復の訴え(6:11~7:16)
2.注目すべき点
(1)パウロは、神への奉仕の本質について語っている。
(2)パウロの奉仕は、聖霊に導かれた奉仕である。
(3)パウロは、コリントの信者たちが彼の奉仕を手本にすることを願う。
3.アウトライン:和解の奉仕
(1)キリストの愛(5:11~15)
(2)新しく造られた者(5:16~17)
(3)和解の務め(5:18~21)
(4)キリストの使節(6:1~10)
4.結論:奉仕の原動力
パウロの奉仕の姿勢について学ぶ。
Ⅰ.キリストの愛(5:11~15)
1.11節
2Co 5:11
そのため、主を恐れることを知っている私たちは、人々を説得しようとしています。私たちのことは、神の御前に明らかです。しかしそれが、あなたがたの良心にも明らかになることが、私の望みです。
(1)パウロの奉仕の根底にあるのは、「主への恐れ」である。
①「【主】を恐れることは知識の初め。愚か者は知恵と訓戒を蔑む」(箴1:7)
②主への畏怖の念が彼を駆り立てている。
③彼が全力で人々を説得しようとしていることは、神がよくご存じである。
④パウロは、コリントの信者たちが同じ理解に至ることを願っている。
2.12節
2Co 5:12
私たちは、またしてもあなたがたに自分を推薦しているのではありません。むしろ、あなたがたに私たちのことを誇る機会を与え、心ではなくうわべを誇る人たちに応じられるようにしたいのです。
(1)コリントの信者の中には、パウロを誤解する者たちがいた。
①パウロは、その誤解(自己推薦)をただちに解く。
②パウロが自分の奉仕について長々と書くのは、自己推薦のためではない。
③コリントの信者たちに、敵に対する弁明の方法を教えるためである。
(2)パウロを批判するのは、偽教師たちである。
①彼らは、「心ではなくうわべを誇る人たち」である。
②つまり、内面を整えるよりも、外面をつくろうことに興味がある人たちである。
3.13節
2Co 5:13
私たちが正気でないとすれば、それは神のためであり、正気であるとすれば、それはあなたがたのためです。
(1)敵対者の目には、パウロが正気でないように見える。
①パウロの神への献身は、それほど真剣で深いものである。
②しかしパウロは、正気を失っているわけではない。
③パウロが熱心に奉仕する理由は、コリントの信者たちを育てるためである。
④パウロに利己的な動機は全くない。
4.14~15節
2Co 5:14
というのは、キリストの愛が私たちを捕らえているからです。私たちはこう考えました。一人の人がすべての人のために死んだ以上、すべての人が死んだのである、と。
2Co 5:15
キリストはすべての人のために死なれました。それは、生きている人々が、もはや自分のためにではなく、自分のために死んでよみがえった方のために生きるためです。
(1)パウロを動かしているのは、キリストの愛である。
①キリストは、人類の代表として、すべての人のために死なれた。
②つまり、キリストにあって、すべての人が死んだのである。
③なぜキリストはすべての人のために死なれたのか。
④信じる者が、「自分のために死んでよみがえった方」のために生きるため。
Ⅱ.新しく造られた者(5:16~17)
1.16節
2Co 5:16
ですから、私たちは今後、肉にしたがって人を知ろうとはしません。かつては肉にしたがってキリストを知っていたとしても、今はもうそのような知り方はしません。
(1)キリストを信じた者は、新しく造られた者である。
①新しく造られた者は、新しい視点で人やものごとを見るようになる。
②外面によってではなく、内面の実質によって、人を知るようになる。
③キリストに関しても、同じことが言える。
④信じる前は、イエスを人間として見ていたが、今は違う。
⑤イエスは、復活し昇天した栄光の主である。
2.17節
2Co 5:17
ですから、だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。
(1)キリストを信じた人は、「新しく造られた者」である。
①キーワードは、「キリストのうちにあるなら」(in Christ)である。
②クリスチャンになった途端に、罪の性質や悪癖が取り除かれるわけではない。
③しかし、キリストにあっては、そのことが起こったと見なされる。
④それが信者の内に成就するためには、時間が必要である(聖霊による聖化)。
Ⅲ.和解の務め(5:18~21)
1.18~19節
2Co 5:18
これらのことはすべて、神から出ています。神は、キリストによって私たちをご自分と和解させ、また、和解の務めを私たちに与えてくださいました。
2Co 5:19
すなわち、神はキリストにあって、この世をご自分と和解させ、背きの責任を人々に負わせず、和解のことばを私たちに委ねられました。
(1)神は、これらの祝福の作者である。
①人間の側に誇るべきものは何もない。
②神は、キリストによって私たちをご自分と和解させた。
*人間が神と和解するのである。
③神は、キリストにあって、この世をご自分と和解させた。
④神は、背きの責任を人々に負わせなかった。
*このことは、キリストを信じた瞬間に起こることである。
⑤神は、和解のことば(福音)をしもべたちに委ねられた。
*この務めは、天使たちにではなく、人間に委ねられた。
2.20節
2Co 5:20
こういうわけで、神が私たちを通して勧めておられるのですから、私たちはキリストに代わる使節なのです。私たちはキリストに代わって願います。神と和解させていただきなさい。
(1)パウロが各地で実践してきた宣教の内容
①パウロは、キリストに代わる使節(大使)である。
②神がパウロを通して勧めておられる。
*神が膝をついて懇願しておられるようである。
③パウロは、キリストの思いを代弁している。
④「神と和解させていただきなさい」
*受動態の命令文である。神は、できることをすべて行われた。
*福音を信じることは、神の和解を受け入れることである。
3.21節
2Co 5:21
神は、罪を知らない方を私たちのために罪とされました。それは、私たちがこの方にあって神の義となるためです。
(1)十字架上で起こったこと
①神は、罪を知らないキリストを私たちのために罪とされた。
②人間の罪がキリストに転嫁されたということである。
③その結果、キリストの義が人間の上に転嫁された。
Ⅳ.キリストの使節としての心構え(6:1~10)
1.1節
2Co 6:1
私たちは神とともに働く者として、あなたがたに勧めます。神の恵みを無駄に受けないようにしてください。
(1)パウロからコリントの信者たちへの勧告(未信者への勧告でもある)
①「神の恵みを無駄に受けないようにしてください」
②偽教師(ユダヤ主義者)の教えに惑わされ、パウロの教えを疑うこと
③救いは恵みと信仰によってのみ与えられるという教えを疑うこと
2.2節
2Co 6:2
神は言われます。/「恵みの時に、わたしはあなたに答え、/救いの日に、あなたを助ける。」/見よ、今は恵みの時、今は救いの日です。
(1)イザ49:8からの引用
①「救いの日に、あなたを助ける」とは、キリストの復活のことである。
②イザヤが預言していた恵みの時、救いの日は到来した。
③それゆえ、今こそ福音を信じるべきである。
3.3節
2Co 6:3
私たちは、この務めがそしられないように、どんなことにおいても決してつまずきを与えず、
(1)不信仰の口実を与えないために、パウロは自らの生活を律する。
①「この務め」とは、主のしもべとしての奉仕である。
②すべてのクリスチャンが、そのような奉仕に召されている。
4.4~5節
2Co 6:4
むしろ、あらゆることにおいて、自分を神のしもべとして推薦しています。すなわち、苦難にも苦悩にも困難にも、
2Co 6:5
むち打ちにも入獄にも騒乱にも、疲れ果てた時も眠れない時も食べられない時も、大いなる忍耐を働かせて、
(1)4~5節は、神のしもべとしてパウロが耐えた肉体的な苦しみである。
①苦難、苦悩、困難、むち打ち、入獄、騒乱
②疲れ果てた時、眠れない時、食べられない時
5.6~7節
2Co 6:6 また、純潔と知識、寛容と親切、聖霊と偽りのない愛、
2Co 6:7 真理のことばと神の力により、また左右の手にある義の武器によって、
(1)6~7節は、パウロが示した善行である。
①純潔、知識、寛容、親切、聖霊、偽りのない愛
②真理のことば、神の力、左右の手にある義の武器(防御と攻撃のための武器)
6.8~10節
2Co 6:8
また、ほめられたりそしられたり、悪評を受けたり好評を博したりすることによって、自分を神のしもべとして推薦しているのです。私たちは人をだます者のように見えても、真実であり、
2Co 6:9
人に知られていないようでも、よく知られており、死にかけているようでも、見よ、生きており、懲らしめられているようでも、殺されておらず、
2Co 6:10
悲しんでいるようでも、いつも喜んでおり、貧しいようでも、多くの人を富ませ、何も持っていないようでも、すべてのものを持っています。
(1)8~10節は、信者が通過する矛盾した経験である(谷と高嶺の体験)。
①人をだます者のように見えても、真実である。
②人に知られていないようでも、よく知られている。
③死にかけているようでも、見よ、生きている。
④懲らしめられているようでも、殺されていない。
⑤悲しんでいるようでも、いつも喜んでいる。
⑥貧しいようでも、多くの人を富ませている。
⑦何も持っていないようでも、すべてのものを持っている。
結論:奉仕の原動力
1.主への恐れ(5:11)
(1)神は全知全能で、すべてをご存じである。
(2)神への畏怖の念があるなら、地上には恐れるものがなくなる。
(3)人生の唯一のゴールは、神に喜ばれることである。
2.キリストの愛(5:14)
(1)ピリ2:6~8
Php 2:6
キリストは、神の御姿であられるのに、/神としてのあり方を捨てられないとは考えず、
Php 2:7
ご自分を空しくして、しもべの姿をとり、/人間と同じようになられました。/人としての姿をもって現れ、
Php 2:8 自らを低くして、死にまで、/それも十字架の死にまで従われました。
(2)キリストを信じる者は、自分のためでなく、キリストのために生きる。
3.キリストの使節としての自己認識(5:20)
(1)クリスチャンは、和解のことばを伝える神の国の大使である。
(2)大使には、派遣国の意向を正確に伝える責務がある。
4.恵みの時(6:2)
(1)今は、イザヤが預言していた恵みの時である。
(2)今こそ、福音を信じる時である。
(3)先延ばしにする人は、信じないままで終わることが多い。
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