出エジプト記(32)—シナイ契約(5)—

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このメッセージでは...

モーセの律法から神の性質と現代的適用を学ぶ。

出エジ32 出エジプト記22章16節~31節

「シナイ契約(5)」

1.文脈の確認

(1)シナイ契約の構造

①シナイ契約は宗主権契約である。

②両者が同意する条項(命令と祝福)(20:3~17)

*十戒

③基本条項に付加された諸条項(21:1~23:33)

*十戒の原則を解説した補足条項

*判例法の形式を取っている。

  (2)前回学んだ内容

  ①奴隷の扱い(21:1~11)

  ②傷害事件(21:12~32)

  ③物権の侵害(21:33~22:15)

2.きょうのアウトライン(その他の規定)

(1)処女の誘惑

(2)呪術

(3)獣姦(動物が相手の性行為)

(4)偶像礼拝

(5)在留異国人

(6)やもめとみなしご

(7)利息

(8)神へののろい

(9)初子

(10)殺された家畜

  3.きょうのメッセージから、神の性質と現代的適用を学ぶ。

このメッセージは、モーセの律法から神の性質と現代的適用を学ぼうとするものである。

Ⅰ.処女の誘惑(16~17節)

「まだ婚約していない処女をいざない、彼女と寝た場合は、その人は必ず花嫁料を払って、彼女を自分の妻としなければならない。もし、その父が彼女をその人に与えることを堅く拒むなら、その人は処女のために定められた花嫁料に相当する銀を支払わなければならない」

 
 1.ヘブル式結婚

(1)婚約を経て結婚へ

(2)法的には婚約すると結婚したのと同じ

(3)「婚約していない処女」とは、まだ制約のない状態の乙女

  2.もし婚約している場合は、両者ともに死刑になる(申22:23~24)。

  3.「いざない」とは誘惑のことである。

(1)巧みな言葉によって、過大な約束をする。

(2)態度によって愛を表現する。

  4.罰則

(1)その人は花嫁料(結納金)を払って、彼女を妻とする。

(2)父が拒む場合は、花嫁料だけを支払う。

(3)目的は、結婚の尊厳を教えるため。

Ⅱ.呪術(18節)

「呪術を行う女は生かしておいてはならない」

  1.「呪術を行う女」とあるのは、呪術を行うのは主に女性だからである。

(1)闇の世界(悪霊)との交流によって、情報や力を得ようとする。

(2)下北半島、恐山(おそれざん)のイタコ

(3)沖縄のユタ

  2.「呪術を行う女」は死刑となる。

(1)イスラエルの民は、かつてそういう文化の中にいた(エジプト)。

(2)今や、創造主、先祖の神に立ち返り、自由の民となった。

(3)神を信じる者の世界観と、呪術者の世界観とは対立する。

Ⅲ.獣姦(動物が相手の性行為)(19節)

「獣と寝る者はすべて、必ず殺されなければならない」

  1.人間の堕落の深みを教えている。

①カナン人の習慣の中にあった行為

②ロマ1:26~27

「こういうわけで、神は彼らを恥ずべき情欲に引き渡されました。すなわち、女は自

然の用を不自然なものに代え、同じように、男も、女の自然な用を捨てて男どうしで

情欲に燃え、男が男と恥ずべきことを行うようになり、こうしてその誤りに対する当

然の報いを自分の身に受けているのです」

Ⅳ.偶像礼拝(22節)

「ただ【主】ひとりのほかに、ほかの神々にいけにえをささげる者は、聖絶しなければならない」

  1.偶像礼拝と呪術とは相関関係にある。

(1)被造の世界を超越した神を目に見えるもので表現しようとする。

(2)神の許しの範囲を越えて、将来をのぞき見ようとする行為である。

  2.死罪に当たるが、ここでは「聖絶」という言葉が使用されている。

(1)ヘブル語で「ヘレム」という。

(2)「聖絶しなければならない」(新改訳)

(3)「断ち滅ぼされる」(新共同訳)

  3.ヨシ6:21の例

(1)エリコの町は聖絶の対象であった。

(2)アカンの罪のゆえに、アイとの戦いに敗れた。

  4.それ以外の聖句

民31:15~17、申7:2、20:16~17、ヨシ10:1、11:12

士21:11、Ⅰサム15:3、27:9~11、エレ25:9

Ⅴ.在留異国人(21節)

「在留異国人を苦しめてはならない。しいたげてはならない。あなたがたも、かつてはエジプトの国で、在留異国人であったからである」

  1.在留異国人の存在は、かつての自分たちの姿を思い起すきっかけとなる。

  2.在留異国人を大切に扱う理由

(1)自分たちが受けた苦しみを知っているので、在留異国人に優しくする。

(2)神の性質を思い起して、自分たちもそれにならう。

(3)ルカ6:31

「自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい」

Ⅵ.やもめとみなしご(22~24節)

「すべてのやもめ、またはみなしごを悩ませてはならない。もしあなたが彼らをひどく悩ませ、彼らがわたしに向かって切に叫ぶなら、わたしは必ず彼らの叫びを聞き入れる。わたしの怒りは燃え上がり、わたしは剣をもってあなたがたを殺す。あなたがたの妻はやもめとなり、あなたがたの子どもはみなしごとなる」

  1.神が人間を評価する基準は、人間の基準とは異なる。

(1)富、地位、能力ではない。

(2)創1:27 「神のかたち」

  2.やもめとみなしごは、当時の世界では、最も弱い人たちである。

(1)神は弱者を憐れみ、守るお方である。

(2)神は彼らの祈りを聞かれる。

  3.やもめとみなしごを悩ませる人への罰

(1)神がその人を殺す。

(2)その人の妻と子どもたちは、やもめとみなしごになる。

Ⅶ.利息(25~27節)

「わたしの民のひとりで、あなたのところにいる貧しい者に金を貸すのなら、彼に対して金貸しのようであってはならない。彼から利息を取ってはならない。もし、隣人の着る物を質に取るようなことをするのなら、日没までにそれを返さなければならない。なぜなら、それは彼のただ一つのおおい、彼の身に着ける着物であるから。彼はほかに何を着て寝ることができよう。彼がわたしに向かって叫ぶとき、わたしはそれを聞き入れる。わたしは情け深いから」

  1.利息を取ってはならない。

(1)イスラエル人同士の間で適用される命令

(2)異邦人の場合は、利息を取ってもいいとされている。

  2.着物(上着)を質に取る場合

(1)利息ではないが、補償として質物を取る場合のこと

(2)日没までに返す。

(3)理由は、「わたしは情け深いから」。

Ⅷ.神へののろい(28節)

「神をのろってはならない。また、民の上に立つ者をのろってはならない」

  1.神への畏怖の念を忘れてはならない。

  2.神によって立てられた秩序を軽蔑してはならない。

(1)ロマ13:1~2

「人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している

権威はすべて、神によって立てられたものです。したがって、権威に逆らっている人

は、神の定めにそむいているのです。そむいた人は自分の身にさばきを招きます」

Ⅸ.初子(29節)

「あなたの豊かな産物と、あふれる酒とのささげ物を、遅らせてはならない。あなたの息子のうち初子は、わたしにささげなければならない。あなたの牛と羊についても同様にしなければならない。七日間、その母親のそばに置き、八日目にわたしに、ささげなければならない」

  1.産物

(1)申8:8 7つの産物

「小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろの地、オリーブ油と蜜の地

(2)量は規定されていない。

  2.初子の息子

(1)出13:2の再確認

「イスラエル人の間で、最初に生まれる初子はすべて、人であれ家畜であれ、わたし

のために聖別せよ。それはわたしのものである」

(2)聖別とは、贖い金を支払うことである。

(3)民18:16によれば、5シェケルである。

  3.動物の初子

(1)聖い動物は、いけにえとする。

(2)聖くない動物は、5シェケルであがなう。

Ⅹ.殺された家畜(31節)

「あなたがたは、わたしの聖なる民でなければならない。野で獣に裂き殺されたものの肉を食べてはならない。それは、犬に投げ与えなければならない」

  1.レビ17:10~11

  「また、イスラエルの家の者、または彼らの間の在留異国人のだれであっても、どんな血

でも食べるなら、わたしはその血を食べる者から、わたしの顔をそむけ、その者をその民

の間から断つ。なぜなら、肉のいのちは血の中にあるからである。わたしはあなたがたの

いのちを祭壇の上で贖うために、これをあなたがたに与えた。いのちとして贖いをするの

は血である」

  (1)「肉のいのちは血の中にある」

(2)命の尊厳を教えるために、血を食べることを禁止した。

2.獣に殺された家畜の肉を食べることは、血のついた肉を食べることである。

3.エホバの証人はこの規定を曲解し、本来の意味から外れた教えを広めている。

結論:このメッセージは、モーセの律法から神の性質と現代的適用を学ぼうとするものである。

1.神は永遠である。

  神の存在が消滅することは決してない。それゆえ、神の守りの御手はすべての物と出来事の上に常にある。神に信頼する者は、失望させられることがない。

2.神は全能である。

全能の神は、私の日々の生活を守ってくださる。また、朽ちない体に復活する希望を与えてくださる。

3.神は全知である。

全知の神は、私の行動と思いをすべて知っておられ、その上で、私を愛してくださる。悲劇や試練が起こる時、私は神に祈り、神から慰めを受けることができる。なぜなら、神は私にとって不可解なことでもすべてご存知で、それらを益としてくださるから。全知の神の前に立つ日が来ることを思い、自らの生活を正すことができる。

4.神は偏在する。

神が遍在するという事実は、信者にとっては慰めとなり、未信者にとっては警告となる。私は、人生のいかなる状況下にあっても、神の臨在を体験し、それを楽しむことができる。

5.神は聖である。

罪人である私は、神が用意された方法によらなければ、神に近付くことができない。神が用意された方法とは、イエス・キリストの贖いの死である。神の子とされた私は、神が聖であることを覚え、自らの生活において聖なる選びと行為を追求しなければならない。

6.神は愛である。

神は、罪人の私を愛してくださる。また、私が誤った道に進んだ時には、私を訓練し、矯正し、正しい道に連れ戻してくださる。神は、私のいのちの価値を、御子のいのちを犠牲にするほどに高く見積もってくださった。

7.神は義である。

義なる神は、私に対して決して不公平なことはなさらない。それゆえ、自己弁護をしたり、仕返しをしたりする必要はない。神が私のことを心配してくださるので、重荷を神に委ねればよい。

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