ヨハネの黙示録(5)—スミルナにある教会、ペルガモにある教会—

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スミルナにある教会とペルガモにある教会について学ぶ。

「スミルナにある教会、ペルガモにある教会」

黙2:8~17

1.はじめに

  (1)黙示録の3区分

    ①黙1:19は、黙示録を3区分している。

Rev 1:19 そこで、あなたの見た事、今ある事、この後に起こる事を書きしるせ。

     ①「今ある事」(2~3章)の内容は、アジアにある7つの教会への手紙である。

    ②キリストご自身からの手紙であるが、無視されていることが多い。

    ③今回は、スミルナにある教会と、ペルガモにある教会を取り上げる。

2.アウトライン

  (1)スミルナにある教会(8~11節)

    ①宛先

    ②賞賛

③叱責

④奨励

⑤約束

  (2)ペルガモにある教会(12~17節)

  3.結論:

    (1)スミルナにある教会から学ぶ教訓

    (2)ペルガモにある教会から学ぶ教訓

    (3)苦難の意味

スミルナにある教会とペルガモにある教会について学ぶ。

Ⅰ.スミルナにある教会

  1.宛先(8節)

Rev 2:8 また、スミルナにある教会の御使いに書き送れ。/『初めであり、終わりである方、死んで、また生きた方が言われる。

     (1)スミルナは、エペソの北約55キロメートルにある港町である。

      ①エペソは今日廃墟と化している。

      ②スミルナは、今も港町として栄えている(イズミール)。人口約20万人。

    (2)スミルナという名前

      ①スミルナとは「没薬」という意味である。

      ②ヨハ19:39

Joh 19:39 前に、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬とアロエを混ぜ合わせたものをおよそ三十キログラムばかり持って、やって来た。

      ③スミルナという言葉は、迫害を死を予感させるものである。

    (3)キリストの自己紹介

      ①「初めであり、終わりである方」

        *キリストは永遠の神である。

      ②「死んで、また生きた方」

        *キリストは、迫害者の手によって殺されたが、墓から復活された方である。

        *黙1:5a参照

Rev 1:5a また、忠実な証人、死者の中から最初によみがえられた方、地上の王たちの支配者であるイエス・キリストから、恵みと平安が、あなたがたにあるように。

      ③この自己紹介は、迫害を通過していた信者たちには大いなる慰めとなった。

      ④彼らは、日々、死の危険性に直面していた。

  2.賞賛(9節)

Rev 2:9 「わたしは、あなたの苦しみと貧しさとを知っている。──しかしあなたは実際は富んでいる──またユダヤ人だと自称しているが、実はそうでなく、かえってサタンの会衆である人たちから、ののしられていることも知っている。

    (1)スミルナの信徒にとっての慰め

      ①キリストは、彼らの苦しみと貧しさを知っておられる。

    (2)彼らは、極貧状態に置かれていた。

      ①しかし、彼らは実際には富んでいた。

      ②これは、霊的豊かさのことである。

    (3)サタンの会衆である人たちからののしられていた。

      ①サタンの会衆とは、「サタンの会堂に属する者たち」(口語訳)である。

      ②「シナゴーグ・オブ・サタン」とは、その地区にあるユダヤ教の会堂である。

      ③彼らは「ユダヤ人」(ユダとは主をたたえよという意味)でありながら、先祖た

ちの信仰に立っていない。

    (4)要約すると、スミルナの信者たちは、3種類の迫害を受けていた。

      ①ローマ帝国による迫害

        *「カイザルは主である」と告白しない者は、迫害された。

      ②宗教的なユダヤ人による迫害

      ③サタンによる迫害(サタンは4つの手紙に登場する)

        *黙2:9(スミルナ)

*2:13(ペルガモ)

*2:24(テアテラ)

*3:9(フィラデルフィア)

  3.叱責

    (1)スミルナの教会に対する叱責はない。

      ①迫害は耐え難いほどであったが、彼らの信仰の純粋性は保たれた。

  4.奨励(10節a)

Rev 2:10a あなたが受けようとしている苦しみを恐れてはいけない。見よ。悪魔はあなたがたをためすために、あなたがたのうちのある人たちを牢に投げ入れようとしている。あなたがたは十日の間苦しみを受ける。

     (1)苦しみを恐れてはいけないという励ましのことば

      ①彼らはすでに恐れていた。「恐れるのを止めよ」という命令である。

②この迫害はまだ続く。キリストはすでに知っておられる。

  *悪魔が攻撃してくる。

  *信仰をためすための投獄がある。

  *彼らは、10日の間苦しみを受ける。

    (2)「10日の間」の意味

      ①文字通りの10日間

      ②ある限定された期間を指す言葉である。

        *迫害はいつまでも続くものではないという意味がある。

        *ディオクレティアヌス帝による10年間の迫害

③教会が受ける迫害の全体を示す象徴的数字である。

        *紀元96年~313年の間に、キリスト教会を迫害した皇帝が10人出ている。

        *①ネロ、②ドミティアヌス、③トラヤヌス、④ハドリアヌス、

⑤セプティミウス、⑥マクシミヌス、⑦デキウス、⑧ヴァレリアヌス、

⑨アウレリアヌス、⑩ディオクレティアヌス

  5.約束(10b~11節)

Rev 2:10b 死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう。

Rev 2:11 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者は、決して第二の死によってそこなわれることはない。」』

     (1)死に至るまで忠実でありなさい。

      ①たとえ殺されようとも、信仰を捨ててはならない。

      ②迫害する者が信者の命を奪ったとしても、信者は霊的いのちを得る。

        *「いのちの冠」とは、殉教者に与えられる特別な冠である。

    (2)この段階では、まだだれも殺されていない。

      ①後にスミルナ教会の司教となったポリュカルポスは、殉教の死を遂げた。

        *使徒ヨハネの弟子である。

        *カイザルを礼拝することを拒否したので、火あぶりの刑に処された。

      ②彼以外にも、殉教者は多く出たであろう。

    (2)奨励と約束は、個人に与えられている。

      ①預言のことばの背後には、聖霊がおられる。

      ②死後に約束されている祝福(永遠のいのち)を黙想し待ち望むことは、試練を

乗り越える力となる。

②真の信者は、第二の死(霊的死)を経験することはない。

  *第二の死とは、未信者が経験する神との永遠の断絶である。

  *燃える火の池で永遠を過ごす。

Ⅱ.ペルガモにある教会

   1.宛先(12節)

Rev 2:12 また、ペルガモにある教会の御使いに書き送れ。/『鋭い、両刃の剣を持つ方がこう言われる。

    (1)スミルナから約80キロメートル北、エーゲ海から約25キロメートル東。

      ①裕福であるが、堕落した町である。

      ②偶像礼拝が蔓延している町である。

      ③エスクラピアス神殿(ギリシア神話の名医)があった。

        *ゼウスの神殿があった。

        *アテナ(ギリシア神話の女神)礼拝

        *ディオニソス(ギリシア神話の酒の神。バッカス)礼拝

      ④大規模な図書館で有名(蔵書20万冊)

      ⑤この町の環境は、クリスチャンが生活するには極めて難しいものであった。

    (2)キリストの紹介

      ①「鋭い、両刃の剣を持つ方」

        *キリストの叱責のことばを予想した描写である。

      ②両刃の剣とは、神のことばである。

        *信者をこの世から切り離す。

        *この世を罪に定める。

  2.賞賛(13節)

Rev 2:13 「わたしは、あなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの王座がある。しかしあなたは、わたしの名を堅く保って、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住むあなたがたのところで殺されたときでも、わたしに対する信仰を捨てなかった。

     (1)キリストは、彼らが置かれている困難な状況を知っておられる。

      ①サタンの王座がある。

        *エスクラピアス神殿のことであろう。

        *杖に巻き付いている蛇が、この偶像の象徴である。

      ②あるいは、皇帝礼拝のことであろうか。

        *ペルガモは、アジアでの皇帝礼拝の中心地であった。

      ③いずれにしても、この町にはサタンが住んでいる。

        *サタンは、神のように遍在ではない。

        *この時には、サタンはペルガモにいたのであろう(心地よい町)。

    (2)キリストからの賞賛のことば

      ①ペルガモの信者たちは、真実な信仰を保った。

        *皇帝礼拝や他の偶像礼拝に参加しなかった。

      ②忠実な証人アンテパスが殉教の死を遂げた時でも、彼らは信仰を捨てなかった。

  3.叱責(14~15節)

Rev 2:14 しかし、あなたには少しばかり非難すべきことがある。あなたのうちに、バラムの教えを奉じている人々がいる。バラムはバラクに教えて、イスラエルの人々の前に、つまずきの石を置き、偶像の神にささげた物を食べさせ、また不品行を行わせた。

Rev 2:15 それと同じように、あなたのところにもニコライ派の教えを奉じている人々がいる。

     (1)妥協①:バラムの教えを奉じている人々がいる。

      ①バラムとは、イスラエルを呪った異教の預言者である。

      ②彼は、モアブの女を使って、イスラエルを性的に誘惑した。

        *民22~25章

      ③バラムの教えとは、性的堕落をともなった偶像礼拝のことである。

    (2)妥協②:ニコライ派の教えを奉じている人々がいる。

      ①エペソにある教会は、ニコライ派を退けたのでほめられていた。

Rev 2:6 しかし、あなたにはこのことがある。あなたはニコライ派の人々の行いを憎んでいる。わたしもそれを憎んでいる。

      ②ニコライ派は、キリスト者の自由を放縦な生活の口実として用いた人たち。

      ③あるいは、教会内で聖職者と一般信徒を区別した人たち。

      ④この世の価値観で聖書を再解釈するとき、教会の堕落が始まる。

  4.奨励(16節)

Rev 2:16 だから、悔い改めなさい。もしそうしないなら、わたしは、すぐにあなたのところに行き、わたしの口の剣をもって彼らと戦おう。

     (1)「悔い改めよ」というのがキリストからの奨励である。

      ①もしそうしないなら、キリストご自身による裁きが始まる。

      ②すぐにとは、予期せぬ時に、突然、という意味である。

      ③キリストは、みことばをもって、あらゆる妥協を裁かれる。

  5.約束(17節)

Rev 2:17 耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。わたしは勝利を得る者に隠れたマナを与える。また、彼に白い石を与える。その石には、それを受ける者のほかはだれも知らない、新しい名が書かれている。」』

     (1)勝利を得る者とは、真の信仰者、妥協を許さない信仰者である。

      ①彼らには、隠れたマナと白い石が与えられる。

    (2)隠れたマナ

      ①マナはキリストの型である。

      ②栄光の御座におられるキリストとの親しい交わりである。

      ③偶像に捧げられた肉を食べない者には、より素晴らしい食物が用意される。

    (3)白い石

      ①旧約時代の裁判では、無罪のしるしとして白い石が渡された。

      ②競技会での勝利のしるし

        *勝者の宴会に参加できるしるし

      ③主人が客に与える歓迎のしるし

      ④ここでは、神に受け入れられたしるし

        *新しい名が書かれているとは、天の宴会に参加できるしるしであろう。

        *信者は、神の家族の中に数えられている。

結論:

  1.スミルナにある教会から学ぶ教訓

    (1)この教会は、「迫害時代の教会」の型である。

      ①紀元100年頃~313年

      ②ミラノ勅令により、キリスト教がローマの公認宗教となった。

    (2)この教会は、迫害によって信仰が純化された教会である。

      ①キリストからの叱責のことばがない。

    (3)迫害は、いつか終わりを迎える。

  2.ペルガモにある教会から学ぶ教訓

    (1)この教会は、「国家と結婚した教会」の型である。

①ペルガモとは、「結婚した」という意味である。

      ②ミラノ勅令以降、教会はローマ帝国と結婚したような状態になった。

      ③紀元313年~5世紀末

    (2)迫害が去ると、教理的純粋性と道徳的純潔を失っていった。

    (3)この教会を表現するキーワードは、「妥協」である。

  3.苦難の意味

    (1)信者を訓練するため

      ①霊の父は、私たちを訓練される。

      ②ヘブ12:3~13

    (2)過ちを犯すことから信者を守るため

2Co 12:7 また、その啓示があまりにもすばらしいからです。そのために私は、高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました。それは私が高ぶることのないように、私を打つための、サタンの使いです。

    (3)信者に従順を学ばせるため

Rom 5:3 そればかりではなく、患難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、

Rom 5:4 忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。

Rom 5:5 この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。

    (4)信者は、キリストの御名のために苦しむことを賜っている。

Act 9:16 彼がわたしの名のために、どんなに苦しまなければならないかを、わたしは彼に示すつもりです。」

    (5)苦しみは、神に捧げる礼拝の中に含まれる要素である。

      ①没薬は、苦難の象徴である。

      ②没薬は、礼拝の象徴でもある。

Exo 30:23 「あなたは、最上の香料を取れ。液体の没薬五百シェケル、かおりの強い肉桂をその半分──二百五十シェケル──、におい菖蒲二百五十シェケル、

Exo 30:24 桂枝を聖所のシェケルで五百シェケル、オリーブ油一ヒン。

Exo 30:25 あなたはこれらをもって聖なるそそぎの油を、調合法にしたがって、混ぜ合わせの香油を作る。これが聖なるそそぎの油となる。

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