メシアの生涯(162)—パリサイ主義の糾弾(1)—

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パリサイ主義の本質とは何かを学ぶ。
参考資料として「モーセの座」「経札」等の写真が入っています。

「パリサイ主義の糾弾(1)」

マコ12:38~40、マタ23:1~39、ルカ20:45~47

1.はじめに

  (1)文脈の確認

    ①イエスの最後の1週間について学んでいる。

②きょうの出来事も、火曜日に起こったものである。

③4つのグループによる神の小羊の吟味は終了した。

④イエスの公生涯は、間もなく終了しようとしている。

  *パリサイ主義の糾弾

  *やもめの献金

⑤パリサイ主義に対するイエスのことばは、非常に厳しい。

  *パリサイ主義の堕落の度合いを思え。

  *イエスは軟弱なお方ではない。

  (2)A.T.ロバートソンの調和表

    §137 イエスは、最後の公の教えで、律法学者とパリサイ人たちを糾弾する。

        マコ12:38~40、マタ23:1~39、ルカ20:45~47

2.アウトライン

  (1)群衆と弟子たちに向かって(1~12節)

  (2)パリサイ人たちに向かって(13~36節)

  (3)イエスの嘆きと再臨の預言(37~39節)

        *今回は、(1)を取り上げる。

  3.結論:

    (1)経札について

    (2)着物のすその四隅のふさについて

    (3)先生と呼ばれることについて

パリサイ主義の本質とは何かを学ぶ。

Ⅰ.群衆と弟子たちに向かって(1~12節)

   1.パリサイ人たちの教えの本質は、偽善である。

Mat 23:1 そのとき、イエスは群衆と弟子たちに話をして、

Mat 23:2 こう言われた。「律法学者、パリサイ人たちは、モーセの座を占めています。

Mat 23:3 ですから、彼らがあなたがたに言うことはみな、行い、守りなさい。けれども、彼らの行いをまねてはいけません。彼らは言うことは言うが、実行しないからです。

     (1)群衆と弟子たちに対する教えである。

      ①彼らは、イエスと指導者たちの論争に耳を傾けて来た。

      ②その彼らに、イエスはパリサイ主義の誤りを教える。

     (2)「モーセの座」(写真参考)

      ①ガリラヤ湖の北のコラジンの会堂に置かれている(レプリカ)。

      ②「モーセの座」と書かれている。

      ③パリサイ人たちは、町の門のところに座り、争いごとを裁いていた。

    (3)イエスは、パリサイ人たちの権威をある程度は認めた。

      ①彼らは、モーセの律法を教える権威を持っていた。

      ②それゆえ、彼らの教えることを守り行うべきである。

      ③ただし、その行いをまねてはいけない。

    (4)パリサイ人たちの偽善とは。

①崇高な教え

②不従順な生活

   2.パリサイ人たちは、口伝律法を作り、民衆に重荷を与える。

Mat 23:4 また、彼らは重い荷をくくって、人の肩に載せ、自分はそれに指一本さわろうとはしません。

     (1)本来の宗教的権威は、啓示されたみことばを土台とするものである。

      ①啓示されたみことばを忠実に教える範囲において、権威がともなう。

      ②みことばの解釈を恣意的に変更するなら、その人には権威はともなわない。

    (2)パリサイ人たちは、解釈変更以上のことをした。

      ①恣意的に新しい律法を作り出した。口伝律法(ミシュナ)である。

      ②それを実行するように、民衆に要求した。

      ③しかし、自分のためには、抜け道を用意した。

   3.パリサイ人たちは、利己主義と自己義認に満ちている。

Mat 23:5 彼らのしていることはみな、人に見せるためです。経札の幅を広くしたり、衣のふさを長くしたりするのもそうです。

     (1)パリサイ人たちの行動の動機は、人に見せるためである。

      ①内面の実質ではなく、外面の評価にこだわる。

    (2)経札の幅を広くする。

      ①経札(テフィリン)には、額に付けるものと左腕に付けるものがある。

      ②不必要なほど大きい。

      ③中には、4箇所の聖句が書かれ小さな羊皮紙が入っている。

        *出13:1~10、11~16、申6:4~9、13~21

    (4)衣のふさを長くする。

      ①民15:38の命令

      ②着物のすその四隅にふさをつける。

   4.パリサイ人たちは、自分を高く見せることを好む。

Mat 23:6 また、宴会の上座や会堂の上席が大好きで、

Mat 23:7 広場であいさつされたり、人から先生と呼ばれたりすることが好きです。

Mat 23:8 しかし、あなたがたは先生と呼ばれてはいけません。あなたがたの教師はただひとりしかなく、あなたがたはみな兄弟だからです。

Mat 23:9 あなたがたは地上のだれかを、われらの父と呼んではいけません。あなたがたの父はただひとり、すなわち天にいます父だけだからです。

Mat 23:10 また、師と呼ばれてはいけません。あなたがたの師はただひとり、キリストだからです。

Mat 23:11 あなたがたのうちの一番偉大な者は、あなたがたに仕える人でなければなりません。

Mat 23:12 だれでも、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされます。

     (1)宴会の上座や会堂の上席が大好き。

      ①ルカ14:7

      「招かれた人々が上座を選んでいる様子に気づいておられたイエスは、彼らにた

とえを話された」

②自分が重要人物であることを誇示できる。

    (2)広場であいさつされるのが好き。

      ①マーケットプレイス。町で一番混雑している場所。

      ②公の場であいさるされると、エゴが満たされる。

    (3)自分を高く見せるタイトルを好む。

      ①先生(ラビ)

      ②われらの父

        *こう呼ばれる人は、生徒たちの上に権威を振う。

      (例話)アラブ人の土産物屋で「Father」と呼ばれた経験

      ③師(導き手)

      (例話)ミシュナの教え:父か師かの二者択一の場合、師を選ぶ。

    (4)唯一の師であるイエスの教え

①信者同士は、神を父とする兄弟たちである。

      ②人間の間に、上下関係があるわけではない。

      ③仕える者が一番偉大な者である。

      ④自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされる。

   5.パリサイ主義は、長い祈りによって貪欲を隠す。

Luk 20:47 また、やもめの家を食いつぶし、見えを飾るために長い祈りをします。こういう人たちは人一倍きびしい罰を受けるのです。」

     (1)経済的に苦しいやもめ

      ①やもめの保護は、モーセの律法の要請である。

      ②しかし、パリサイ人たちはやもめの財産を取り上げた。

        *高額の献金の要請

    (2)自らの貪欲を隠すために、長い祈りをする。

      ①長い祈りが問題なのではなく、祈りの動機が問題である。

      (例話)この決定をする前に祈ったと言いながら、やもめの家を抵当に取る。

      ②こういう人たちは、人一倍きびしい罰を受ける。

結論:

  1.経札について

  「これをあなたの手の上のしるしとし、またあなたの額の上の記念としなさい。それは【主】

のおしえがあなたの口にあるためであり、【主】が力強い御手で、あなたをエジプトから連

れ出されたからである」(出13:9)

「これを手の上のしるしとし、また、あなたの額の上の記章としなさい。それは【主】が

力強い御手によって、私たちをエジプトから連れ出されたからである」(出13:16)

「これをしるしとしてあなたの手に結びつけ、記章として額の上に置きなさい」(申6:8)

「あなたがたは、私のこのことばを心とたましいに刻みつけ、それをしるしとして手に結

びつけ、記章として額の上に置きなさい」(申11:18)

  (1)ユダヤ人たちは、これらの命令を文字通り(機械的)に解釈した。

  (2)(写真3枚)

    ①額に付ける経札の中は、4つに仕切られている。

      *それぞれの聖句が書かれた羊皮紙4枚を入れる。

    ②左腕に付ける経札の中は、仕切られていない。羊皮紙は1枚である。

      *すべての聖句が書かれた羊皮紙1枚を入れる。

    ③超霊的に見えている限り、神の命令に従っているかどうかは気にしなかった。

  (2)字義通りの解釈は、著者の本来の意図を探り当てる解釈である。

    ①神の意図は、【主】の教えを常に意識し、それを生活原則とすることである。

  2.着物のすその四隅のふさについて

  「【主】はモーセに告げて仰せられた。『イスラエル人に告げて、彼らが代々にわたり、着物のすその四隅にふさを作り、その隅のふさに青いひもをつけるように言え。そのふさはあなたがたのためであって、あなたがたがそれを見て、【主】のすべての命令を思い起こし、それを行うため、みだらなことをしてきた自分の心と目に従って歩まないようにするため、こうしてあなたがたが、わたしのすべての命令を思い起こして、これを行い、あなたがたの神の聖なるものとなるためである。わたしはあなたがたの神、【主】であって、わたしがあなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から連れ出したのである。わたしは、あなたがたの神、【主】である』」(民15:37~41)

    (1)(写真1枚)

    (2)特殊なデザインの衣服は、自分たちが特別な民であることを思い出させるための

ものである。

  ①神を知らない民と同化しないで生きていくことが期待された。

  ②青いひもは、王の息子たちとしての身分を示すものである。

(3)パリサイ人たちは、本来の目的を忘れ、ふさを長くすることで満足した。

  3.先生と呼ばれることについて

    (1)禁じられた3つのタイトル

      ①先生(ラビ)

      ②われらの父

      ③師(カセイゲイテイス 導き手)

    (2)以上のタイトルは、神に対してのみ用いるべきものである。

      ①神の国においては、上下関係の区別はない。

      ②これは、霊的領域に関して言えることであって、拡大解釈すべきではない。

        *当時のラビと生徒の関係を背景に理解する必要がある。

    (3)家庭生活、職業生活、学校生活などにおいては、適用されない。

    「あなたがたは、だれにでも義務を果たしなさい。みつぎを納めなければならない人

にはみつぎを納め、税を納めなければならない人には税を納め、恐れなければならな

い人を恐れ、敬わなければならない人を敬いなさい」(ロマ13:7)

  ①機械的解釈のこだわるなら、形式主義、律法主義の落とし穴に落ち込む。

(4)律法のゴールは「2つの愛」であることを思い出そう。

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