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マタイの福音書4:1 ~ 2

1 さて、イエスは、悪魔の試みを受けるため、御霊に導かれて荒野に上って行かれた。

2 そして、四十日四十夜断食したあとで、空腹を覚えられた。

荒野の誘惑(1)

メシアとして受ける誘惑

ヨルダン川から上がったイエスは、父なる神と聖霊から、メシアであるとの証明を受けた。その直後に、悪魔の試みを受けるために、御霊に導かれて荒野に上られた。イエスのバプテスマと荒野の誘惑の関連性を、見落としてはならない。メシア宣言を受けたイエスが、「もしメシア(神の子)であるなら、それを証明せよ」と悪魔から迫られるのである。
(1)イエスを荒野に導いたのは聖霊であった。荒野は神の声を聞き、神に近づく場所である。(2)40 日間の断食祈祷きとうの後、イエスの耳に試みる者の声が聞こえてきた。これは、あらゆる信仰者が通過する普遍的ふへんてきな出来事である。(3)悪魔は、メシアであるイエスに罪をおかさせるために悪知恵を働かせた。彼は、十字架を通過せずに、より簡単な方法で人類を救えばよいと提案した。(4)イエスのゴールは、この誘惑に勝利し、ご自身が無罪であることを証明することである。それができないなら、イエスは人類の救い主としての資格を失うことになる。

イスラエルの民の代表として受ける誘惑

イエスは、2 つのグループの代表として誘惑にあっている。2 つのグループとは、「イスラエルの民」と「人類一般」である。イエスがイスラエルの民の代表であると言えるのは、以下のような理由からである。(1)イエスもイスラエルの民も、ともに「神の子」である(出4:22 ~23 参照)。(2)イエスもイスラエルの民も、ともに荒野で誘惑に会った(1 コリ10:1 ~13 参照)。(3)イスラエルの民の放浪は40 年間であり、イエスの断食は40 日であった。ともに40 という数字が出てくる。(4)イエスは、悪魔に対抗するために、申命記を引用された。申命記は、神とイスラエル民の契約(シナイ契約)を記した「契約の書」である。イスラエルの民はその契約に違反したが、イエスは「契約の書」を引用することによって、民の失敗を修復された。
日々遭遇そうぐうする「霊的戦い」に勝利する秘訣ひけつは、決して複雑なものではない。悪魔の誘惑にあったときは、その状況にふさわしいみことばを引用し、それを自分に適用することが最大の武器となる。これが、御子イエスの方法であり、私たちが見習うべき方法である。そのためには、神のことばを頭と心に蓄える必要がある。日々のデボーションが、みことばの蓄えを可能にしてくれる。「霊の戦い」を複雑なものにしてはならない。デボーションの継続が可能になるように神に願おうではないか。

きょうの祈り

天の父よ。主イエスが誘惑に勝利された方法を学ぶことができました。どうか心にみことばをたくわえることができますように。主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。

年間聖書通読

エレミヤ書20~21、コリント人への手紙 第一16