使徒の働き(28)―サマリヤ人伝道(2)―

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ピリポのサマリヤ人伝道について学ぶ。

「サマリヤ人伝道(2)」

使徒81425

 

1.はじめに

1)ステパノの死をきっかけに、エルサレムの教会に対する激しい迫害が起こった。

①使84

Act8:4 他方、散らされた人たちは、みことばを宣べながら、巡り歩いた。 

②イエスが「種を蒔く人」のたとえ話の中で語っておられた状況が訪れた。

③ピリポは、2つの民族的なバウンダリーを越えて行く。

*大きなバウンダリーは、サマリヤ人との間にあったものである。

*小さなバウンダリーは、エチオピア人の改宗者との間にあったものである。

 

2)「サマリヤ人伝道」のアウトライン

①ピリポの伝道(58節)

②魔術師シモンの信仰(913節)

③ペテロとヨハネの訪問(1417節)

④魔術師シモンの罪(1825節)

 

3)サマリヤ人の救いについて

①サマリヤ人の救いは、復活のキリストの計画の中にあった。

②これは、使徒たちにとっては予想外のことであるが、喜ばしいことでもあった。

③サマリヤ人は、ユダヤ人と異邦人の中間にいた人々である。

④ユダヤ人にとっては、サマリヤ人の救いを認めてよいのかいう問題がある。

⑤サマリヤ人にとっては、ユダヤ人のメシアを信じてよいのかという問題がある。

⑥サマリヤ人の救いに関して、神からの承認が必要である。

 

2.アウトライン

3)ペテロとヨハネの訪問(1417節)

4)魔術師シモンの罪(1825節)

 

結論

1)ペンテコステの日の出来事とサマリヤの町での出来事の対比

2)ペテロの役割

 

 

ピリポのサマリヤ人伝道について学ぶ。

Ⅲ.ペテロとヨハネの訪問(1417節)

1.14

Act8:14 さて、エルサレムにいる使徒たちは、サマリヤの人々が神のことばを受け入れたと聞いて、ペテロとヨハネを彼らのところへ遣わした。

1)ピリポは、エルサレムにいる使徒たちに使いを送り、助けを求めた。

①使徒たちは、「サマリヤ人の人々が神のことばを受け入れた」と聞いた。

②ピリポは、エルサレムの信者を説得するのは容易なことではないと思っていた。

③そこで、使徒たちをサマリヤの町に招き、調査を依頼したのである。

 

2)エルサレム教会は、ペテロとヨハネをサマリヤの町に派遣した。

①申1915

Deu19:15 どんな咎でも、どんな罪でも、すべて人が犯した罪は、ひとりの証人によっては立証されない。ふたりの証人の証言、または三人の証人の証言によって、そのことは立証されなければならない。

②ものごとを決するためには、ふたりか3人の証人の証言が必要である。

 

3)ヨハネが派遣されたのは、皮肉なことである。

①ルカ954

Luk9:54 弟子のヤコブとヨハネが、これを見て言った。「主よ。私たちが天から火を呼び下して、彼らを焼き滅ぼしましょうか。」

②今ヨハネは、サマリヤ人を兄弟として受け入れようとしている。

③使徒の働きの中で、ヨハネの名前が出て来るのはこれが最後である。

 

2.1516

Act8:15 ふたりは下って行って、人々が聖霊を受けるように祈った。 

Act8:16 彼らは主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけで、聖霊がまだだれにも下っておられなかったからである。

1「ふたりは下って行って、人々が聖霊を受けるように祈った」

①ペンテコステの日のような聖霊の傾注がまだ起こっていなかった。

 

2「彼らは主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけで、」

①マタ2819

Mat28:19 それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、 

②「父、子、聖霊の御名によって」と「主イエスの御名によって」は同じ意味。

③ルカは、洗礼の式文を紹介しているのではなく、実質を表現している。

③英語では、「baptizedintothenameoftheLordJesus.」(ASV)である。

④洗礼は、三位一体の神との一体化、主イエスとの一体化である。

 

3「聖霊がまだだれにも下っておられなかったからである」

①聖霊の種々の働きは、信じるということと同時に起こる。

*聖霊によるバプテスマ

*聖霊の内住

*聖霊の証印

②ここでは、信じるということと聖霊の働きが起こることの間に、時間差がある。

*これは、極めて変則的な事例である(アノマリー)。

③時間差がある理由は、これがサマリヤ人の救いに関する出来事だからである。

*ユダヤ人とサマリヤ人の間にはバウンダリーがあった。

 

3.17

Act8:17 ふたりが彼らの上に手を置くと、彼らは聖霊を受けた。

1)ペテロとヨハネの按手により、サマリヤ人たちは聖霊を受けた。

①ルカは、どういう現象が起こったのかを明確に記していない。

②ペンテコステの日に起こったのと同じようなことが起こったと推測される。

*サマリヤ人たちは、異言で祈ったのであろう。

*魔術師シモンの反応は、そのことを示している。

③神は、サマリヤ人の救いを保証された。

④ピリポの働きの正当性が証明された。

 

 

Ⅳ.魔術師シモンの罪(1825節)

1.1819

Act8:18 使徒たちが手を置くと御霊が与えられるのを見たシモンは、使徒たちのところに金を持って来て、 

Act8:19 「私が手を置いた者がだれでも聖霊を受けられるように、この権威を私にも下さい」と言った。

1)シモンは、未だに魔術師の発想で行動している。

①彼は、ペテロとヨハネが発揮した超自然の力に感銘を受けた。

②自分もその力を得たいと願った。

③「大能と呼ばれる、神の力」というタイトルの回復を願った。

④彼には、聖霊によるバプテスマの意味を理解する霊的洞察力がなかった。

 

2)魔術的力は、金で売買できる。

①シモンは、金で聖霊を付与する力を買おうとした。

②英語の「simony」という言葉は、ここから出た。

*聖職の売買

*聖なるもので利得を得る。

 

2.2021

Act8:20 ペテロは彼に向かって言った。「あなたの金は、あなたとともに滅びるがよい。あなたは金で神の賜物を手に入れようと思っているからです。 

Act8:21 あなたは、このことについては何の関係もないし、それにあずかることもできません。あなたの心が神の前に正しくないからです。

1)ペテロの厳しい言葉は、シモンが救われていないことを示している。

「あなたの金は、あなたとともに滅びるがよい」

*もし彼が信者なら、滅びることはないはずである(ヨハ316)。

「あなたは、このことについては何の関係もないし、それにあずかることもで

きません」

*もし彼が信者なら、信者の交わりの中にいたはずである。

「あなたの心が神の前に正しくないからです」

*これは、救われていない人の心の状態を描写したものである。

 

3.2223

Act8:22 だから、この悪事を悔い改めて、主に祈りなさい。あるいは、心に抱いた思いが赦されるかもしれません。 

Act8:23 あなたはまだ苦い胆汁と不義のきずなの中にいることが、私にはよくわかっています。」 

1)ペテロはシモンに、真の悔い改めと主イエスへの信頼を勧めた。

「あるいは、心に抱いた思いが赦されるかもしれません」

②シモンの罪の重さを考えると、ペテロは赦しの確信を持てなかったのであろう。

 

2「あなたはまだ苦い胆汁と不義のきずなの中にいる」

①これもまた、救われていない人の描写である。

 

4.24

Act8:24 シモンは答えて言った。「あなたがたの言われた事が何も私に起こらないように、私のために主に祈ってください。」 

1)シモンの言葉は、真の悔い改めからはほど遠いものである。

①彼は、イエス・キリストにではなく、人間に依存している。

②彼は、罪を悲しむのではなく、罪の結果だけを恐れている。

③彼には、新生した信者が持っている霊性がない。

④これ以降、シモンの名は聖書から消える。

*教会の伝承の中にその名が出て来る(グノーシス主義の創始者)。

 

5.25

Act8:25 このようにして、使徒たちはおごそかにあかしをし、また主のことばを語って後、エルサレムへの帰途につき、サマリヤ人の多くの村でも福音を宣べ伝えた。

1)サマリヤの町に拠点としての教会が誕生した。

①これが、宣教の広がりを可能にした。

②エルサレムへの帰路、「サマリヤ人の多くの村」でも福音を宣べ伝えた。

③彼らは、サマリヤ人も救いに招かれているという確信を持った。

④ユダヤ人の使徒たちが、サマリヤ人伝道をするのは、驚くべきことである。

 

2)時代は、かつての時代から、「種を蒔く人」のたとえが示す時代となった

①マタ1056

Mat10:5 イエスは、この十二人を遣わし、そのとき彼らにこう命じられた。「異邦人の道に行ってはいけません。サマリヤ人の町に入ってはいけません。 

Mat10:6 イスラエルの家の失われた羊のところに行きなさい。 

②ルカ95356

Luk9:53 しかし、イエスは御顔をエルサレムに向けて進んでおられたので、サマリヤ人はイエスを受け入れなかった。 

Luk9:54 弟子のヤコブとヨハネが、これを見て言った。「主よ。私たちが天から火を呼び下して、彼らを焼き滅ぼしましょうか。」 

Luk9:55 しかし、イエスは振り向いて、彼らを戒められた。 

Luk9:56 そして一行は別の村に行った。 

 

 

結論

1.ペンテコステの日の出来事とサマリヤの町での出来事の対比

1)ペンテコステの日のユダヤ人たちの救い(使238

Act2:38 そこでペテロは彼らに答えた。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。 

①悔い改めた。

②洗礼を受けた。

③聖霊を受けた。

 

2)サマリヤ人たちの救い

①信じた。

②洗礼を受けた。

③使徒たちが手を置いて祈った。

④聖霊を受けた。

 

3)時差がある理由

①両者ともに、恵みにより、信仰によって救われている。

②教会の一致を保つため。キリストの教会はひとつである。

③ユダヤ人たちは、サマリヤ人に優越感を持つ傾向があった。

④サマリヤ人たちは、ユダヤ人から離れて独自の教会を建てる可能性があった。

 

2.ペテロの役割

1)マタ1619

Mat16:19 わたしは、あなたに天の御国のかぎを上げます。何でもあなたが地上でつなぐなら、それは天においてもつながれており、あなたが地上で解くなら、それは天においても解かれています。」 

①ペテロは、救いが諸民族に広がるための器として用いられた。

②ペテロには、「天の御国のかぎ(複数形)」が与えられた。

*教会の一員となるための門を開くかぎである。

 

2)天の御国のかぎの行使

①使2章で、ペテロはユダヤ人のために天の御国への門を開いた。

②使8章で、サマリヤ人のために天の御国の門を開いた。

③使10章で、異邦人のために天の御国の門を開いた。

 

3)ヨハネもペテロも、自らの使命を果たした。

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